岩村レイズ 執念のサヨナラタイ勝!

[ 2008年10月13日 06:00 ]

<レイズ・レッドソックス>延長11回アップトンのサヨナラ犠飛で大はしゃぎする一走・岩村

 【レイズ9-8レッドソックス】レイズが11日(日本時間12日)、5時間27分に及ぶ“2日がかり”の激闘の末、レッドソックスを下し、対戦成績を1勝1敗の五分とした。延長11回、岩村明憲内野手(29)が敬遠されて迎えた1死満塁からアップトンの右犠飛でサヨナラ勝ち。浅い当たりながら、ポストシーズンの秘密兵器に指名された快足ペレスが駆け抜けた。

【試合結果
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 右翼線に上がった浅い飛球が一瞬の静寂を呼んだ。右翼手ドルーの捕球と同時に、三塁走者ペレスが迷わずスタートを切る。レイズを救う希望の光が一気に本塁を駆け抜けた。サヨナラだ。満塁策で敬遠され一塁にいた岩村も大はしゃぎで歓喜の輪に飛び込む。時計の針は日付が替わった午前1時35分を指していた。

 「勝てば(疲れも)吹っ飛びますよ。どれだけ長い時間やっても。みんなの執念が最後はサヨナラ勝ちにつながった」。岩村の笑顔が物語る。7回戦制になった85年以降、ア・リーグの同シリーズで本拠地での連敗スタートした5チームはすべて敗退。しかも今季敵地ボストンでは2勝7敗と分が悪く、2戦目の敗戦は限りなく終戦に近づくことを意味していた。

 最後に秘密兵器が光った。11回、先頭ナバロが四球を選ぶとペレスを代走に送った。ポストシーズン選手登録期限の8月31日に昇格。マイナー5年間で189盗塁の一芸に賭け、今季20本塁打のヒンスキーを外してまで今シリーズに登録した。「直線ならあのシービスケットより速いぞ。私が知る中で最も俊足だ」とマドン監督は米競馬史に残る名馬を引き合いに出し、してやったり。超名門コロンビア大出身で、野球選手にならなければ新聞記者になっていたという異色の25歳は「投げるのも見ずに突っ込んだよ」と目を丸くさせた。

 投げては昨年のドラフト1巡目指名で公式戦未勝利のプライスが、ポストシーズンで初勝利。日替わりヒーローを生むレイズらしい劇勝に、9回の二塁内野安打でポストシーズン6試合連続安打とした岩村も「自分たちの野球ができた。これくらいの弾みがないとボストンでは厳しい戦いになるから」と手応えを深めた。勢いという最大の武器を磨き“緑の怪物”がそびえる敵地へ乗り込む。

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2008年10月13日のニュース