上原完全復活!今季初のお立ち台

[ 2008年10月6日 06:00 ]

<巨・中>ファンの声援に応えながら場内を一周する巨人・上原

 【巨人3-0中日】絶対に離れない!逆転でのリーグ連覇を目指す巨人が5日の中日戦に快勝。ナイターで勝った首位・阪神との0・5ゲーム差を死守した。先発の上原浩治投手(33)は切れ味が戻った直球を武器に7回5安打無失点の力投。前回の対戦で完投負けを喫した相手に借りを返し、6勝目を挙げた。エースの完全復活でチームのムードは最高。虎とのし烈なマッチレースは一歩も引くつもりはない。

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 上原が今季初めて東京ドームのお立ち台に上がった。「今季最初で最後ですね」とおどけると、ファンに向けて「帰っておいしいビール飲んでください」。歓声を受け、ホッとした表情になった。

 雪辱の舞台でも冷静なマウンドだった。前回登板した9月28日の中日戦では、8回2死から一発を浴び、1失点で完投負け。この日も同じチェンと投げ合ったが「逆に向こうに乗せられた」と、1週間後の対戦で意地を見せつけた。

 直球の切れが増してきたことで、フォークやカットボールなどの変化球も生きた。2回1死一、三塁のピンチでは谷繁を2―1と追い込んでから外角のカットボールで二ゴロ併殺。前回3打席の対戦では1球も投げていなかった球種でピンチをしのいだ。「シゲさん(谷繁)とは相性が悪かったし、(阿部)慎之助がいろいろ考えてくれた。その通りに投げられた。若いコンビがうまくやってくれた」。女房役の阿部に加え、寺内、坂本の二遊間にも感謝した。

 9月21日の阪神戦からは、マウンドに上がった際に必ず行ってきた儀式をやめた。ステップ幅6足を測り、踏み込む位置にスパイクでラインを引く習慣だ。下半身に不安があったため自分でステップの幅を制限していたが、気にせず踏み込めるようになったのは不安が消えた証拠。この日は最速144キロも計測した。

 もつれる優勝争いの中での好投は、メダルなしに終わった北京五輪の悔しさが支えていた。「オリンピックに比べれば緊張感ないんでね。学生の頃から国際大会を経験しているから。前回も平常心、今回も平常心」。最後のイニングとなった7回の3者連続三振は、心の安定がもたらした。

 原監督は「前回は向こうに軍配が上がったが、今回はしっかり投げてくれた」と称えた。阪神も勝ち今季初の単独首位はならなかったが、10・8の決戦に向け「選手が伸び伸びやってくれれば、いい結果が出ると思う」と意気込みを語った。

 上原の次回登板は今季最終戦となる11日のヤクルト戦(神宮)が濃厚。心も体も充実している上原は最後に本音を言った。「その前に決めてほしいです」。10月はプロ入りして以来5戦全勝。ミスターオクトーバーが逆転Vへ勢いをつけた。

 ≪クルーン 外国人最多39セーブ目≫クルーンが中日に在籍した宣銅烈(ソン・ドンヨル)のシーズン外国人最多記録を更新する39セーブ目を挙げた。前日は3ランを浴び敗戦投手。この日も制球が定まらず1死満塁のピンチを招いたが、代打ウッズを併殺に打ち取りゲームセット。試合後は自分への怒りが収まらない様子だったが「スランプだけど修正できる自信はある」と残り4戦での復活を誓っていた。

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2008年10月6日のニュース