ローズ「個人成績は勝つことで価値が出る」

　「ようやく、チャンスをつかんだ。とにかく１戦１戦、全力で戦っていく」。昨季は早々と低迷したチームの中で、孤軍奮闘するしかなかった。今季は違う。オリックスの躍進を支えたローズは、初めてのクライマックスシリーズ（ＣＳ）を心待ちにしている。

　今季は４０歳で４０本塁打という史上２人目の偉業を成し遂げた。１１８打点はリーグトップ。だが、自身の成績について問われると、決まって「関係ない」と言う。個人記録にはもう、喜びを見いだせない。
　「王さんは本塁打の世界記録を持っているけれど、優勝もたくさん経験している。個人の成績は、勝つことで初めて価値が出てくるんだ」。不動の４番として勝利だけを追い求め、４日から始まった合同練習でも精力的に汗を流している。
　第１ステージの相手は日本ハムだ。「ダルビッシュとの試合が鍵になる。ミスしてくれた球を確実にとらえたい。打ち崩すことができれば大きな１勝になる」。ローズ自身、今季は８打数１安打と抑え込まれただけに、ＣＳでその借りを返そうと意気込む。相手のエースを打ち砕いてこそ、本当の４番と言えるのだ。
　「ＣＳだけでなくて、日本シリーズでも勝てるようにベストを尽くす」と言葉に力を込めた。念願の日本一へと続く道を、自らのバットで切り開いていく。