また優勝お預け…西武、荒れアレ3連敗

[ 2008年9月25日 06:00 ]

 【西武1―9ロッテ】あと1つがなかなか届かない。優勝へのマジックを1としている西武は24日、ロッテに大敗。2位のオリックスも勝ったため、4年ぶりのリーグ優勝はお預けとなった。先発の涌井秀章投手(22)が大乱調なら、4回には死球をめぐる乱闘で細川亨捕手(28)が負傷交代するなど後味の悪い敗戦でチームはよもやの3連敗。優勝は26日、日本ハム戦(札幌ドーム)以降にお預けとなった。

 きょうこそ。歓喜の瞬間を楽しみにしていた2万8613人の観衆は胴上げどころか、大乱闘の目撃者となってしまった。
 「どこ投げてんだ!」「いいかげんにしろ!」場内からバ声も飛んだ。無理もない。優勝マジック2で迎えたホームで3連敗だ。「こういう状況で3戦目を迎えて、みんな“地元で”という気持ちがあったと思う。でもこれが野球」。本拠地胴上げを望んでいた渡辺監督も悔しさを隠せない。
 4回だった。涌井が里崎に押し出し死球を与えると、代わった三井もズレータに押し出し死球。球場内に不穏な空気が流れる中、今度は許銘傑(シュウ・ミンチェ)がベニーにプロ野球タイ記録となる1イニング3死球目。これにキレたベニーは止めに入った細川を豪快に首投げ。両軍入り乱れて大乱闘の末、ベニーは暴力行為で退場。細川は左肩打撲で交代した。一挙7失点で勝負あり。渡辺監督は「うちも3死球食らったら向かっていく。(連盟に)抗議するようなことはない」と自軍投手陣のふがいなさを嘆いた。
 苦い思い出がある。渡辺監督自身、現役時代の93年に優勝マジック1で迎えた10月6日近鉄戦(藤井寺)で1点リードの9回2死三塁から大島を見逃し三振に奪ったと思いガッツポーズも判定はボール。そこから同点打を浴びて延長で引き分け。チームはそこから3連敗。10日間も足踏みを食らった。「あの時のこともある。油断はできない」と教訓としている。
 それでも優勝まであと1勝の事実は変わらない。渡辺監督は試合後のミーティングでは「これでマジックが1になったと思えばいい」と前向きに話せば、選手会長の赤田も「決起集会なんてやらないですよ。勝ってパァーっと騒ぎます」と悲壮感はない。26日から札幌で日本ハムと2連戦。長引いた分だけ喜びは大きくなる。

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2008年9月25日のニュース