涙の小久保「監督、胴上げ、いいですか?」

[ 2008年9月25日 06:00 ]

 【ソフトバンク1―4オリックス】ソフトバンク・王監督のあいさつの途中から、小久保、松中は泣いていた。花束贈呈。最初に指揮官の前に立った小久保は、声を掛けられるとまた涙をぬぐった。「自分もプレーできていないし、悔しい。残りの野球人生、(この悔しさを)持って戦いたい」。左かかとを痛め、いまだ足を地面に着けられない。それでも王監督の後ろを歩いて場内を1周。「満足できる成績じゃないのは分かっていますが…。胴上げ、いいですか?」と耳打ちすると、その体を思い切り持ち上げた。

 故障で2軍調整中のメンバーも駆けつけた。右足甲を疲労骨折している川崎は「お前は頑張りすぎるとダメ。適度にやれ」と言われたという。「でも僕らより張り切っていたのは監督。最後まで監督には勝てませんでした…」と目を赤くして唇をかんだ。王監督が14年間かけて植え付けたイズム。その魂を伝承するのが、涙を流しながら背番号89を見つめたナインの役割だ。

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2008年9月25日のニュース