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スペインまさか…スイスの堅守にV候補撃沈

[ 2010年6月17日 06:00 ]

スイスに敗れ引き揚げるスペインのフェルナンド・トーレス

 【W杯1次リーグH組 スペイン0―1スイス】“無敵艦隊”がいきなり沈んだ。優勝候補筆頭の呼び声高いFIFAランク2位のスペインが16日、1次リーグ初戦で同24位のスイスに0-1で敗れる波乱。ボールを圧倒的に支配しながら最後までゴールを奪えず、後半7分にカウンターから相手FWジェルソン・フェルナンデス(23=サンテチエンヌ)に決勝点を許した。昨年6月から続いていた国際Aマッチの連勝は12で止まった。

【試合結果


 こわばった顔つきの選手が足早に、そして次々とピッチをあとにする。優勝候補筆頭のスペインがスイスによもやの敗戦。過去15勝3分けと圧倒した格下に競り負けた。
 「W杯ではそれまでの結果は何も保証してくれない」とデルボスケ監督が語ったのは開幕前、最後の強化試合ポーランド戦を6―0で締めくくった時だった。皮肉にも的を射た予告となった。
 立ち上がりから圧倒的に攻めた。右ひざ手術から回復途上のFWフェルナンド・トーレスは先発を外れたが、1トップのビジャと中盤のテクニシャンが巧みなパスワークで相手を翻ろう。先制は時間の問題と見えた。しかし、後半開始直後の波状攻撃は実らず、7分に悪夢の瞬間が訪れる。相手ゴールキックからボールをつながれ、最後は混戦からこぼれ球を押し込まれて失点した。
 「相手のカウンター以外はわれわれが支配していた」と指揮官。ボール支配率は63―37%、シュート数は24―8と圧倒したが、ゴール数を競うのがサッカーのルール。後半16分にはフェルナンド・トーレス、同17分にはヘスス・ナバスの両FWを続けて投入して打開を図ったが、精度を欠くクロスを放り込むだけではゴールにつながらない。大半を敵陣で過ごしながら決定力不足に泣いた。
 「まだ終わってはいない。残り2試合に勝つしかない」とデルボスケ監督は声を振り絞った。優勝した08年欧州選手権後にチームを引き継ぎ、国際Aマッチ25勝1敗に12連勝と快進撃で臨んだW杯だが、足をすくわれた。「万年優勝候補」。ありがたくない呼び名が思い起こされる、屈辱のスタートとなった。

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2010年6月17日のニュース