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岡田監督“先制口撃”オランダに情報戦仕掛けた

[ 2010年6月17日 06:00 ]

海外メディアが撮影する中、練習を見守る岡田監督

 岡ちゃんが情報戦に打って出た。W杯日本代表は16日、1次リーグ第2戦オランダ戦(19日、ダーバン)に向けて南アフリカ・ジョージで全体練習を再開した。岡田武史監督(53)は14日のカメルーン戦後、次戦の相手オランダのDFのパスを警戒しているとのコメントを残した。しかし、15日には一転、この発言が相手をかく乱するものだったことを明かした。場外戦で先手を取って、格上のオランダから勝ち点を奪い取るシナリオだ。

【日本代表メンバー
グループE


 不敵な笑みを浮かべ、岡田監督がオランダに揺さぶりをかけたことを明かした。カメルーン戦後に「(オランダは)DFラインにフリーでパスを出させると精度の高いボールが来る。それに対応できる戦い方、選手でいかないといけない」と前線からプレスをかけていくようなコメントを残したが、実はこれが周到な“芝居”だったのだ。
 15日の練習後に発言の真意を問われた指揮官は「何かがオランダに伝わればと思って言った。それも(ボールの出どころをつぶすのも)選択肢の一つだと思っている。相手もいろいろ考えてくれたらね」と種明かしした。
 陽動作戦だった。試合後の記者会見は世界中に発信される。当然、オランダも岡田監督のコメントを入手する。その言葉を参考にして戦い方を予測し、日本戦のゲームプランを練ってくる。それを逆手に取って本心ではない発言をしたのだ。
 昨年9月の対戦では、前線からプレスをかけて後半途中まで互角に渡り合ったが、終盤息切れし0―3で敗れた。オランダにとっては日本が出てくるのか、引くのか、読みにくい状況だ。岡田監督はカメルーン戦同様、オランダ戦でも守備的な戦術を採用する見込みだが、今回の発言によってオランダはさらに混乱するはずだ。
 ただ岡田監督が情報戦を仕掛けるのは異例だ。非公開練習を導入しているが、戦術やメンバーを隠すためではなく、選手を集中させるのが目的。実際カメルーン戦前の紅白戦や練習試合(ジンバブエ戦)も報道陣に公開。システムや先発メンバーは本番と全く同じだった。しかし、世界ランク4位で優勝候補のオランダには正攻法で挑んでも勝てる可能性は低い。だからピッチ内外を問わず打てる手はすべて打っておこうというわけだ。
 岡田監督はゲームプランについても「勝ちにいく?もちろんそうだ。最初から引き分けを狙うより、勝つことを前提に戦っていく。ただ、時間帯によっては引き分けを狙うこともある」と明確にしなかった。あらゆる奇策を駆使して2度目の番狂わせをもくろんでいる。

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2010年6月17日のニュース