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マイコン0度弾“鉄壁9人守備”こじ開けた

[ 2010年6月17日 06:00 ]

<ブラジル・北朝鮮>後半10分、ブラジルのマイコンが角度のない位置から先制ゴールを決める

 【W杯1次リーグG組 ブラジル2―1北朝鮮】北朝鮮の徹底した守備をこじ開けたのは、右サイドバックのマイコン(28=インテル・ミラノ)だった。0―0で迎えた後半10分、左からの大きなサイドチェンジで自陣から顔を出すと、猛ダッシュに入る。トップスピードのままエラーノの縦パスに追い付き、そのまま右足アウトサイドでシュートを打った。

 ゴールライン近くの角度がない位置。それでも「ゴールを狙う」と瞬時に決めたのは、昨年のポルトガルとの親善試合で似た位置からのゴールの記憶があったからだ。クロスに備え、ニアポストから離れたGKの左脇をかすめたボールが、右に曲がりながら逆サイドのネットに刺さる。揺れるといわれる今大会の公式球の特徴まで「シューターに有利」と計算した“角度ゼロ”からのスーパーゴールだった。
 「初めてのW杯でゴールするのが夢だった」。代表主将も務めたカフーが94年から4大会連続でW杯に出場。06年大会後はバルセロナのダニエウ・アウベスと厳しいポジション争いをした。28歳で初のW杯は感激も大きかった。
 インテルは今季、イタリア杯、セリエA、欧州CLと史上初の3冠を達成した。クラブで同僚のDFルッシオ、GKジュリオ・セザールとの約束はもちろん4冠。「7月11日の決勝に行く第一歩だ」。カフーなき王国の右サイドで、マイコンが大きな存在感を見せた。

 ◆マイコン・ドグラス・シセナンド 1981年7月26日、ブラジル・クリシウマ生まれの28歳。クルゼイロで頭角を現し、01年のU―20W杯、04年アテネ五輪代表入り。03年7月13日のメキシコ戦でフル代表デビューし、この日の北朝鮮戦で59試合6得点。04年にクルゼイロからモナコに移籍し、06年にインテルに移籍した。1メートル86、77キロ。名前の由来は両親が映画俳優のマイケル・ダグラスのファンだからといわれる。

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2010年6月17日のニュース