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日本代表、つなぐカウンターで“勝つ路”

[ 2010年6月17日 06:00 ]

スタンドに登場した巨大なユニホームを背にランニングする本田(右から2人目)ら日本代表イレブン

 【W杯南アフリカ大会・E組日本】19日にオランダと対戦する日本代表がコレクティブ・カウンターで勝機を見いだす。14日のカメルーン戦は1―0で勝ったものの、日本が得意とする細かいパス回しによる攻撃はほとんど見られなかった。オランダ戦も守備重視の戦術に変わりないが、スキを突いて4、5人で一気に相手ゴールに迫る速攻を狙う。16日の練習でもパスをつないで攻撃を組み立てるメニューを消化。つなぐカウンターの意識付けを行った。

【日本代表メンバー
グループE


 オランダ戦の秘策が明らかになった。16日の練習でウオームアップなどを終えた選手たちは4―4―2の布陣で最終ラインからショートパスをつないで速攻を仕掛けるパターンを繰り返した。
 オランダはファンペルシー、スナイダーら世界的選手がそろう優勝候補。押し込まれる展開が予想されるが、岡田監督はまずは攻撃面の修正に着手した。選手のコメントからも指揮官の意図は読み取れる。稲本は「カメルーンと違い、オランダはロングボールを使わない。パスをカットして、いかに速攻をするか」と分析した。岡崎も「速い攻撃で相手を崩したい」と大一番を見据えた。
 勝利へのキーワードは「コレクティブ・カウンター」だ。ロングボール1本ではなく、ハイテンポでショートパスをつないでゴールに迫る近代的カウンター。1、2人ではなく、4、5人と人数をかけてフィニッシュにつなげるのが特徴だ。
 理想の形は09年5月27日のチリ戦の2点目。自陣で本田がボールを奪い、長谷部、中沢を経由し一気にゴール前に運び、最後は岡崎が決めた。岡田ジャパンは08年1月のチーム発足以来、細かいパスで相手を崩す練習を重ねてきた。その成果が表れた場面だ。だがカメルーン戦はそうした連動した攻撃は皆無だった。
 岡田監督は「カメルーン戦は、つなげる場面でも怖がって大きくクリアしていた」と指摘。長谷部も「攻撃は満足できるものではない。もっと出ていって精度の高い攻撃をすることも必要」と攻撃面を課題に挙げた。
 もちろん、自陣でブロックをつくる守備的戦術が大前提で「カウンター返し」を食らわないためにも、コレクティブ・カウンターを仕掛ける時はシュートで攻撃を終えることが不可欠となる。勝てば決勝トーナメント進出が決まる可能性もある大一番。本当の意味で世界を驚かすためにも、日本が得意なパスワークを生かしたカウンターでオランダの穴を突く。

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2010年6月17日のニュース