斎藤八段が名人戦での連敗を6で止める!渡辺名人に第3局勝利し1勝2敗 逆転狙い桂馬の勝負手

[ 2022年5月8日 23:25 ]

名人戦第3局で初勝利を挙げた斎藤慎太郎八段(日本将棋連盟提供)
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 渡辺明名人(38)=棋王との2冠=が斎藤慎太郎八段(29)の挑戦を受ける第80期名人戦第3局は8日、福岡市で2日目が指し継がれ、午後9時5分、斎藤が134手で勝利した。開幕から連敗した斎藤が1勝を返し、初挑戦した前期第1局以来の名人戦勝利。名人戦での連敗を6で止めた。

 「序盤からどういう構想で指せばいいのか分からず、ずっと苦しかった」

 斎藤が48分考え、残り時間が20分になった80手目。対する渡辺は2時間24分残していた。消費時間、そして形勢でも劣勢に立ち、2日目夕刻を迎えていた。そこで斎藤が放った、桂馬の勝負手。「逆転を狙うには必要かと思った」。これへの対応を渡辺が誤ったようで、歩を1枚渡した上に斎藤馬の利きを遮る守り駒を削られ、形勢が逆転した。

 渡辺が勝てば名人戦7連勝となり、66年第3局から翌67年第3局まで勝ち続けた大山康晴十五世名人に55年ぶりに並んだ。歴史的勝利を斎藤が許せば7番勝負も後がなくなり、第4局からの4連勝が求められる。先月21日に迎えた29歳の誕生日。「控えていたお酒を誕生日に飲みました」。流れを変えようと、自ら禁を解いたことを対局前に明かしていた。

 「本局を反省して次に生かせれば」。勝利の手応えは斎藤に薄く、渡辺も「終盤も方針が定まらず、指したのが心残り。次は切り替えて臨みたい」と反省した。第4局は19、20日、山口市で指される。

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