3・10甲子園“伝統の一戦”は阪神主催オープン戦史上最多観衆3万2741人以上が濃厚 

[ 2024年3月6日 05:15 ]

阪神・岡田監督(撮影・岸 良祐)
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 阪神が巨人と甲子園で戦う10日の試合が、球団主催のオープン戦史上、最多観衆になる可能性が高いことが5日、分かった。実数発表を始めた05年以降は3万2741人が最多記録で、これを上回る見込み。昨季の優勝と甲子園100周年の効果とみられる。また、岡田彰布監督(66)は、その10日にドラフト5位・石黒佑弥投手(22=JR西日本)、同6位・津田淳哉投手(22=大経大)を聖地デビューさせる考えを示した。

 球団創設90周年の宿敵・巨人との伝統の一戦が、シーズン開幕前から歴史的な盛り上がりを見せそうだ。甲子園で戦う10日の前売りチケットが飛ぶように売れている。阪神球団は、3万人以上の観衆を想定。甲子園歴史館の開場と重なった10年3月14日の同戦で記録した3万2741人を上回る、球団主催のオープン戦における史上最多を見込んでいる。

 毎年3月の日曜日に組まれる甲子園での巨人とのオープン戦は、新入団の若虎をファンに紹介する場を設ける関係で、もともと客入りは良かった。それでも、この2年はコロナ禍の影響もあり2万人に届かなかった。今年は、昨季の18年ぶりリーグ制覇と38年ぶり日本一の恩恵が大きいようで、球団関係者は「昨年の優勝の効果が大きいと思う。シーズン前から多くのお客さんに来てもらえるのはうれしいこと。甲子園100周年も関係しているのではないか」と感謝を口にした。

 当日は、日本一のチャンピオンリング贈呈式が行われる。栄冠の余韻に浸れるセレモニーが重なったことも、ファンの関心を集めていると考えられる。V効果は8、9日ヤクルト戦の前売り状況にも波及。観客数が実数発表になった05年以降、球団主催のオープン戦で3度しかない3万人超えが、さらに増える可能性を秘める。開場100周年を迎える甲子園が、春からにぎわいを見せそうだ。

 岡田監督は、熱を帯びる「3・10」を、新人のお披露目の場とすることを明言した。5日楽天戦の降雨中止により、登板が流れたドラフト5位の石黒と6位の津田を、10日に投げさせる。クラブハウス内で取材に応じ、「新人紹介があるからな、どっちみちこっちに来るから、投げさせようかなと思って。(楽天戦より)巨人戦の方がいいやんか。晴れ舞台で」と明かした。29日の開幕戦で東京ドームで対戦する巨人には開幕ローテーション候補を使わず、救援投手で9イニングをつなぐ「ブルペンデー」とする方針も示した。現在1軍でプレーするドラフト2位の椎葉(四国・徳島)も登板する方向だ。

 寒さが残る3月だけに、当日の客足は天候にも左右されるが、初の4万人到達への期待も膨らむ。5日現在の10日の天気予報は、晴れで最高気温11度。防寒対策を万全にして、さあ甲子園へ――。

 【過去阪神のオープン戦3万人超え】
 ▽2010年3月14日巨人戦=3万2741人 好天の日曜日、甲子園球場の外野スタンド内に完成した甲子園歴史館がオープン。開館時の午前10時には200人以上が並び、入場制限が出るほどの盛況だった。阪神は開幕投手候補の安藤優也が6回2失点、新外国人のマートンが2安打。巨人は坂本勇の逆転2ランで2―1で勝利。

 ▽2018年3月10日中日戦=3万2165人 阪神と中日の両軍で監督を務め、18年1月に70歳で急逝した星野仙一氏の追悼試合として開催された。阪神は全員が背番号77のユニホームを着用。試合は1点優勢の9回表に追い付かれ2―2で引き分け。金本監督は「特別な日なので勝ちたかったですけどね」と振り返った。

 ▽2005年3月13日巨人戦=3万2107人 阪神は4回1死満塁で桧山進次郎が走者一掃の逆転二塁打を放ち6―4で勝利。右翼の定位置を争う新外国人のスペンサーに差を見せつけた。また、著作権の虚偽登録により「中虎連合会」元会長らが逮捕された件を受け、この日から新しい応援歌が採用された。

 《ドラ5石黒 ドラ6津田がG倒デビュー誓う》1軍練習に参加したドラフト5位・石黒と6位・津田がG倒デビューを誓った。「ずっと天気予報を見て、阪神園芸さんならいけるんちゃうかな…とか考えながら」と楽天戦中止を残念がった津田は「人生初めての甲子園なので、今持っている力を全て出す」と改めて決意表明。石黒も「初めての甲子園で緊張やワクワク感がある。いい評価をもらえるように3人で抑えることがベスト。走者を出しても0点で帰ってこられるような投球をしたい」と意気込んだ。岡田監督が見守ったブルペンでも、若さと勢いを前面に出して力強く投げ込んだ。

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