佐々岡真司氏　初回を無四球でしのぎ波に乗った広島・森　体重もしっかり前に乗りテンポも良かった

セ・リーグ   広島3ー2巨人 （ 2023年6月25日    マツダ ）

佐々岡真司氏
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　【佐々岡真司氏　視点】いい意味でイメージを覆す好投だった。初回の先頭・オコエにボール、ボールで入った広島・森の立ち上がり。ファームでは制球の安定感に欠け、この日もどうかな…と案じたが、腕をしっかり振りながら無四球で乗り切ったのは特筆ものだ。

　一度上げた右足を上下させる以前の2段モーションだと、突っ立って投げている感があった。それを止めたことでバランスが良くなり、体重も前にしっかり乗っているように見えた。おまけにストライクが先行するからテンポも良かった。

　序盤は、自信のある真っすぐとカットボールが主体の配球。右打者にはその2球種でインコースへの意識づけができていた。最後はチェンジアップを空振りさせた4回の中田翔が好例で、こうした投球ができれば対右でも抑えられるだろう。

　待ち望んだ今季初先発のマウンド。最初から全力で飛ばそうという気持ちだったはずだ。中盤の失点は球数が増え、少しバテたからかもしれない。慣れてくればペース配分はまた変わると思う。次回登板が楽しみだ。（本紙評論家）