西武ドラ1・蛭間 憧れ先輩からプロ1号V弾!チームは今季最長タイ4連勝

[ 2023年6月26日 05:30 ]

パ・リーグ   西武5―2楽天 ( 2023年6月25日    楽天モバイル )

<楽・西>2回、プロ初本塁打となる先制3ランを放った蛭間(右)はチームメートに出迎えられる(撮影・尾崎 有希)
Photo By スポニチ

 西武のドラフト1位・蛭間拓哉外野手(22)が25日、楽天戦の2回にプロ初本塁打となる1号先制3ランを放った。ドラフト制以降、06年の炭谷(現楽天)以来球団2人目となるドラフト1位新人のプロ1号決勝弾。23日の同戦でプロデビューした新人の一撃で、チームは今季最長タイの4連勝を飾った。リーグ5位と低空飛行のチームに加わった新戦力が、上位浮上への勢いをもたらした。

 豪快に投げ捨てたバットも奇麗な放物線を描いた。2回2死一、二塁。蛭間がフルカウントから内角高め146キロの直球を、素早く体を回転させながらはじき返した。「切れないでくれ」と願った打球が右翼ポール際に飛び込むと、雄叫びを上げながらベースを一周した。

 「まさか早川さんから打てると思っていなかった」

 記念すべき初アーチは憧れの先輩からだった。相手先発は早大で2学年上だった左腕・早川。大学時代はシート打撃で対戦したが、幾度となく三振に斬られ「一回も打てたことがなかった」と振り返った。先輩から放った記念すべき一発は、球団史上2人目のドラフト1位ルーキーのプロ1号決勝弾。この日、早川とコンビを組んでいた炭谷が西武時代の06年に放った満塁弾以来だった。

 早大時代の20年秋の早慶戦。勝った方が優勝となる一戦で9回2死から逆転2ランを放つなど、2戦連発で優勝に貢献。胴上げ投手だったのは主将を務めていた早川だった。あの日から959日。「早川さんのように活躍したいと思ってプロに入った。対戦できてうれしかった」と感慨深げな後輩に、早川は「パンチ力は大学の時から知っていた」と脱帽した。

 「人が多ければ多いほど燃える性格。集中力が違う」と自己分析する22歳。即戦力と期待されたオープン戦は打率・133と苦しみ、開幕1軍を逃したが「開幕したら打ちますよ」とデビューを待ちわびていた。自身の“開幕カード”で有言実行の一打だった。試合前は声出しを担当。まぶしさを軽減するための「アイブラック」を口ひげのように貼って現れ、ナインを笑わせた。

 プロ初出場し3戦連続スタメンだった楽天戦で、チームは今季初の同一カード3連勝を飾り今季最長タイの4連勝。「チームにもっと貢献したいし、積み重ねて頑張りたい」。ルーキーが低迷するチームの風向きを変えた。(福井 亮太)

 ≪炭谷以来 球団新人2人目≫ルーキーの蛭間(西)が2回に先制の1号。今季新人の本塁打は加藤豪(日)の4本を筆頭に8人目。ドラフト1位入団では矢沢(日=1本)に次いで2人目だ。また、西武でプロ1号が決勝弾のドラ1ルーキーは、06年3月29日ソフトバンク戦で高校生ドラフト1位の炭谷(現楽天)が2回に先制の満塁本塁打を放って以来17年ぶり2人目となった。

 ◇蛭間 拓哉(ひるま・たくや)2000年(平12)9月8日生まれ、群馬県桐生市出身の22歳。相生小3年から野球を始め、浦和学院(埼玉)では主将を務めた3年夏に甲子園8強。早大では3年春の六大学リーグ戦でベストナインに輝くなど、リーグ通算62試合で打率.260、12本塁打、36打点。22年ハーレム・ベースボール・ウイークで大学日本代表入り。22年ドラフト1位で西武入り。1メートル77、87キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月26日のニュース