広島・森 今季初勝利で3位再浮上導いた ローテ定着へアピール「相手と勝負して攻めていけた」

[ 2023年6月26日 05:00 ]

セ・リーグ   広島3ー2巨人 ( 2023年6月25日    マツダ )

5回2失点の先発の森(撮影・奥 調)
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 広島・森翔平投手(25)が巨人戦に先発し、5回6安打2失点と粘りの投球で今季初勝利を挙げた。1試合の救援登板後、巡ってきた今季初先発のマウンドで、ローテーション定着に向けてアピールに成功。攻撃陣ではマット・デビッドソン内野手(32)が2回に左越えへ先制2ランを放って援護した。チームはカード勝ち越しを決め、巨人と入れ替わる形で3位に再浮上した。

 矢崎が9回を締めて勝利が決まると、ベンチで森の笑顔がはじけた。本拠地の満員のコイ党の声援に後押しされ、今季初の先発マウンドで役目を果たした充実感をかみしめた。

 「相手と勝負して、攻めていけたのが良かった。全力で初回からいこうと思っていたので、その通りにできたのかなと思う」

 最初から全力で飛ばしていった。立ち上がりを3者凡退に抑えると、3回まで無失点。最速149キロの直球を軸に、フォーク、チェンジアップを効果的に使い、テンポよくアウトを奪った。2―0の4回は1死三塁から岡本和に初球のフォークを右中間に適時二塁打されたが、この回は最少失点でしのいだ。

 球場には地元・鳥取から両親と兄弟、祖父が応援に駆け付けていた。前日には激励の連絡をもらったといい「結果を気にせず、思い切って投げようと思った」と力に変えた。3―1の5回1死二、三塁では吉川の二ゴロ間に2点目を奪われたが、後続を退けて5回2失点で救援陣にバトンを渡した。ブルペンが踏ん張り、22年9月7日の中日戦でプロ初勝利を挙げて以来、通算2勝目を手にした。

 今年は春季キャンプを1軍で完走したが、オープン戦で調子を崩して、開幕は2軍で迎えた。「オープン戦の時は、相手と勝負できずにボール先行になっていた」。再調整の場では、ストライク先行で勝負していけるよう、投球フォームも微調整して試行錯誤。そして、先発として真価を示した。

 新井監督も左腕の今後に期待を寄せた。

 「本当によく頑張った。期待通りの投球をしてくれた。次の登板も期待したいけど、そこを競争して、勝ち取ってもらいたい」

 ローテーション定着へ一歩前進する内容で、チームを3位浮上に導いた。初めて上がったマツダスタジアムのお立ち台では大歓声を浴びて笑みを浮かべた森は「一試合一試合が競争になってくる」と気持ちを引き締め、“定位置”確保を見据えた。(長谷川 凡記)

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