超進学校の灘「今は勉強より野球」 春67年ぶり県大会出場で兵庫大会第2シード 必死に練習時間捻出 

[ 2023年6月26日 05:30 ]

兵庫大会の開会式で、入場行進する灘ナイン(撮影・後藤 正志)
Photo By スポニチ

 第105回全国高校野球選手権(8月6日開幕、甲子園)兵庫大会の開会式が25日、姫路市内のウインク姫路で行われた。シード校と参加を希望した計57チーム58校が行進。暑さ対策などを理由に、開会式と開幕試合(7月1日)が初めて別日に分けられた。

 灘の力強い行進を、宮崎秀明監督は「何年ぶりの行進なのですかね…」と温かい目で見守った。開会式に参加したのは、シード校と希望校。灘は春の地区大会を突破し、67年ぶりの県大会出場によって第2シードを与えられた。学校関係者も記憶にないという開会式参加。4番を打つ大石陽翔(3年)は「有名な選手を近くで見られました。話しかけられなかったけど…」と笑った。

 偏差値87、昨年の在校生63人が東大合格。言わずと知れた超進学校がシード校として迎える今夏を前に、大石が言葉に力を込める。「勉強は夏休み以降に切り替える。今は、勉強がおろそかになってでも野球に集中したい」。全体練習後は多くの部員が塾に走っていた中、現在は自習時間を削って素振りをする。通学時間に参考書を読み、休憩時間に部員同士で世界史などの暗記問題を出題し合う。北摂三田―川西北陵の勝者と戦う7月12日の初戦に向けて、必死に野球に割く時間を捻出している。

 昨年は1人だった3年生が今年は11人も残っていることが躍進の要因の一つだ。宮崎監督は「選手の目標は、好きな野球をこのメンバーと一日でも長くやること」と明かす。東大志望で東京六大学でのプレーを夢見る大石は、「みんなで一つずつ勝利を積み重ねたいです」と気合を入れ直した。天才にも勝利への計算式はない。努力と結束力で立ち向かう。(河合 洋介)

続きを表示

「始球式」特集記事

「落合博満」特集記事

2023年6月26日のニュース