日本ハム・大海 ダル仕込みの「太腕直球」で世界斬る 合同自主トレで二の腕回り1センチ増強

[ 2023年2月3日 06:00 ]

ブルペンで投げ込む伊藤(撮影・高橋 茂夫)
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 決して力んではいない。それでもボールには勢いがあった。侍ジャパンの一員でもある日本ハム・伊藤が、WBC使用球を手に今キャンプ初のブルペン入り。変化球を交えて41球を投じ「指にボールがかかっている感じ。自分から見た感覚として、ちょっと昨年とは違う」とうなずいた。

 半分以上となる24球の直球にオフの進化が詰まっていた。昨季は2年連続の10勝を挙げるも、155回2/3で112奪三振。1年目よりも9回2/3多く投げながら、29個も奪三振数が減少した。「ストレートで空振りが取れない苦しい展開が続いたので」。理由は自身が一番、分かっていた。

 フォームも分析した結果、出した答えは直球を投じる際の右腕の振り遅れ。威力が半減することを防ぐため、このオフは上半身のウエートトレーニングに本格的に取り組み、独学で栄養学も勉強。年明けに尊敬するダルビッシュ(パドレス)と米国で合同自主トレを行えたことも大きかった。トレーニング方法も学び、二の腕回りは昨季の33センチから1センチもアップ。「腕が振り遅れないようになった」と実感する。直球の伸びが増した投球を左打席で確認した稲葉篤紀GMは「良い球は凄くあった。順調に来ている」と評価した。

 伊藤は「昨年になかった感覚。体全体を使ってリリースに集中していけている。これから球数が増えるにあたって、そこはぶれずにやっていきたい」と言葉に力を込める。たかが1センチだが、されど1センチ。進化した「太腕直球」で、世界を斬る。(清藤 駿太)

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