ソフトB・今宮 城島先輩から濃密指導「もう一つレベルアップするため」

[ 2023年2月3日 06:55 ]

ソフトバンクの早出練習で城島会長付特別アドバイザー(右)から打撃指導を受ける今宮(撮影・岡田 丈靖)
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 ケンタがケンジ先輩から集中講義――。ソフトバンクの今宮健太内野手(31)が、宮崎キャンプ2日目の2日、アーリーワークに参加。同じ大分・明豊高の先輩、城島健司球団会長付特別アドバイザー(46)から打撃指導を受けた。昨季3割に4厘足りなかった鷹の遊撃手は、外角打ちでの右足の動き1点だけを集中して教わった。2日間の濃密な講義を終え、14年目で初の3割到達へ教えを身につける決意だ。

 午前9時過ぎ。屋内練習場で両者は室内シューズを脱いでいた。靴下のまま強振する後輩の横で先輩、城島氏が黙視。今宮は最後まで投球を見る際の右足親指のタメ、通称「母指球(ぼしきゅう)」の粘りだけ指摘された。

 「インコースよりも外が苦手で。キャンプで“言いたいことがあるから”と言われて始まった。もう一つレベルアップするための対応のところ。ファウルで逃げれば、もう1球チャンスは来るので」

 昨季は振り上げるスイングを意識的にやめた。13年目でキャリアハイの打率・296をマークも三振は21年より1つ多い71。「外を振って体勢を崩されての三振が多かった。長く球を見られたら」。城島氏も同じ考えだった。

 「足の裏の使い方での最後の頑張り、一つだけ。安打にしろではなく、三振しているところを歯を食いしばって粘ろうよと。その意識が3割、3割3分の道となる。粘り切れなかったら2割5分」。下半身主導での2ストライクアプローチだ。

 午後のフリー打撃で、今宮はほぼライナー性の打球を84スイング。ケージ裏で城島氏はきっちりと見守って言った。「きょう、明日(3日)を予定してたが直すところはない。終了」。1日は今宮のバットを握って、外角球をためて押し込む練習をさせた。2日間の集中講義後、15歳下の後輩の変化にうれしそうだった。

 2人の出身高、明豊は城島氏の時代の旧名が別府大付。さらに大分県別府市出身の今宮は明豊中出身だ。「学校名は違うけど“城島選手”を見て育った。(好不調の)波なく、結果でお返しできるのが一番いい」と初の3割へ力が入る。

 城島氏は、きょう3日からは同じく右の強打者・野村勇の指導にチェンジする。最後にハッパをかけて締めた。「ショートで定着してもらいたいし、3割打ってもらわないと。40歳までできるし、もうひと踏ん張り。ここが変わりどころだ」。自身は、NPBの実働14年で打率3割以上を7度達成。大きな声と背中で後輩に願いを込めていた。 (井上 満夫)

 〇…WBC優勝経験もある城島氏が、甲斐をいじりながら激励した。自身は09年の第2回大会の正捕手。決勝の韓国戦では、ダルビッシュに駆け寄った。一昨年の東京五輪にも出場し金メダルに貢献した甲斐に、3月のWBCでの世界一に向けて「タク(拓也)は心配。もう少ししたら奥歯ガタガタして、泣いていると思う(笑い)。僕も、もう1回やりたいかと言われたら、いや。でもファンとして楽しみですし応援しますよ」と笑っていた。

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2023年2月3日のニュース