ラミレス氏が野球殿堂入り 外国出身選手最多の2017安打 日本文化を尊重、パフォでファン魅了

[ 2023年1月14日 05:25 ]

笑顔でポーズを決めるラミレス氏(撮影・白鳥 佳樹)
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 野球殿堂博物館は13日、今年の殿堂入りを発表。競技者表彰のプレーヤー部門で外国出身選手最多の2017安打を記録した元DeNA監督のアレックス・ラミレス氏(48)、エキスパート部門では3冠王に2度も輝いた元阪神のランディ・バース氏(68)が選ばれた。両者は大リーグを経てNPBに入団した「助っ人」で史上初の殿堂入り。また特別表彰では「六甲おろし」や「栄冠は君に輝く」などを作曲した故古関裕而氏が選ばれた。

 ファンに愛され、仲間にも愛された男らしく、全ての人たちに感謝の言葉を繰り返した。ラミレス氏は現役時代と少しも変わらぬ笑みを浮かべ、言った。

 「神に、この素晴らしい名誉を受け取れたことを感謝したい。ベネズエラにいる両親、支えてくれた妻と子供たちに、関わった全ての人たちに感謝したい。“ラミちゃん”という名が永遠に歴史に残るのは本当に光栄」

 01年にヤクルトに入団。巨人、DeNAと渡り歩き外国出身選手初の通算2000安打も達成した。DeNAでは監督も務めるなど日本野球に適応。「最初はヤクルトの契約がよかったので1、2年で大金を稼いで米国に帰ろうと思っていた」という男がこれだけの実績を残せたのは「日本の文化を学び、尊重できたから」と言う。

 忘れられないのはヤクルト1年目の沖縄キャンプ。同僚らが教えてくれたパフォーマンスを「何が面白いのか?」と疑問に思いつつファンの前で披露すると大ウケ。「日本でキャリア初日にファンが受け入れてくれて、日本に恋をした」と振り返る。「彼らのために結果を残したいという大きなモチベーションになった」と語った。「アイ~ン」に始まり「ゲッツ!」、「ラミちゃん、ペッ」など本塁打後のパフォーマンスでファンの心をわしづかみ。打撃も変化球勝負に対応するため、時には強振を捨てて右方向を意識する「日本式」で安打を重ねた。

 大リーグを経て助っ人として来日した外国人選手の殿堂入りはバース氏とともに史上初。母国ベネズエラ出身の殿堂入りは米国野球殿堂入りしたルイス・アパリシオ氏に次いで2人目だ。19年に日本国籍も取得したラミレス氏は、もはや心も体も“日本人”で会見場を出る直前には突然振り返って「ゲッツ!」を披露。報道陣、関係者は拍手喝采だった。(秋村 誠人)

 ◇アレックス・ラミレス 1974年10月3日生まれ、ベネズエラ出身の48歳。インディアンス、パイレーツでプレーし、01年にヤクルト入団。巨人、DeNAでプレーし首位打者1度、本塁打王2度、打点王4度などのタイトルを獲得。08、09年には2年連続でリーグMVPに輝いた。ベストナイン4度。DeNA時代の13年4月6日のヤクルト戦で外国人選手初の通算2000安打を達成。16~20年にはDeNA監督を務めた。右投げ右打ち。

 ≪記録アラカルト≫☆外国人初のNPB2000安打 13年4月6日のヤクルト戦で外国人選手枠で入団した選手として初のNPB2000安打を達成。通算2017安打は外国人選手史上最多。

 ☆通算380本塁打 史上24位。外国人選手ではローズ(巨人など)464本に次ぐ2位。03年にはペタジーニらに並ぶ球団タイの5試合連続本塁打を記録。

 ☆外国人最多打点 通算1272打点は歴代21位で外国人選手では最多。打点王4度はブーマー(阪急など)に並ぶ外国人最多タイ。03~10年にマークした8年連続100打点以上はプロ野球最多記録となっている。

 ☆ゲーム9打点 02年7月6日の広島戦でマーク、球団記録(76年ロジャーら8打点)を更新。

 ☆月間MVP 通算9度受賞はセでは日本人選手を含め最多。07年7~9月は3カ月連続で受賞。15年7~9月の山田(ヤ)、22年6~8月の村上(ヤ)に並ぶセ最多タイ記録。

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2023年1月14日のニュース