侍ジャパン「1番・大谷」あるぞ! WBC斬り込む“イチ指定席” 栗山監督の超攻撃プラン

[ 2023年1月6日 05:00 ]

イチローの「侍ポーズ」をまねする大谷
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 3月の「第5回 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に出場する侍ジャパンの栗山英樹監督(61)が愛弟子のエンゼルス・大谷翔平投手(28)を1番で起用するプランを温めていることが5日、分かった。大谷にとっては06、09年大会で世界一連覇に貢献した尊敬するイチロー(現マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクター)の“指定席”。日本が世界に誇る二刀流を旗頭に、超攻撃型の打線で世界一を奪回する。

 3月のWBCで日の丸を背負って米国やキューバなど世界の強国に斬り込む侍たち。大谷が、その先頭を走る可能性が出てきた。侍ジャパンの栗山監督が21年まで監督を務めた日本ハムの新球場「エスコンフィールド北海道」の竣工(しゅんこう)式に参加。OBの大谷とダルビッシュ(現パドレス)が壁画で描かれた「TOWER 11」を目にすると、世界一奪還への強い思いがあふれた。

 「これだけの選手で本当に勝負したいし、日本の野球は素晴らしいと子供たちに伝えたい。そういう選手たち(大谷、ダルビッシュ)が、どれだけ凄いかを示す責任が俺にはある。あの壁画を見た時に勝ちたいと思った」

 新年最初の公の場。日本ハム監督時代に二人三脚で二刀流選手として成長をサポートした大谷と再び同じユニホームを着る。注目されるのは打順。「一番勝ちやすい形」と多くの選択肢を頭に描く栗山監督は、これまで大谷にエンゼルスでも慣れている2番を任せる可能性を示しているが、世界的な強打者を1番起用する“マル秘プラン”も温めている。

 栗山監督は大谷が日本ハムで新人だった13年5月6日の西武戦で初めて1番起用。その後、16年7月3日のソフトバンク戦では「1番・投手」で起用し大谷もプレーボール弾という最高の結果で応えた。日本ハム時代は3試合だったがエンゼルスでは昨季までに56試合に出場。打率・252、13本塁打、28打点と結果も残している。

 1番は大谷にとって尊敬するイチローが務めた特別な打順だ。大谷は小学2年だった02年に野球を始め、06、09年の世界一連覇はテレビ観戦。最も感動したシーンは09年決勝で宿敵・韓国を相手に延長10回にイチローが中前に放った決勝打は目に焼き付いている。右足首痛で出場を断念した前回17年大会直前のインタビューで「WBCといえば優勝を決めたイチローさんのヒット」と述懐していた。

 大谷の起用法について栗山監督はエンゼルス、本人とも相談しながら最終決定する見込み。「どうやって使っていいか確認し、本人とも話す」と慎重な姿勢を示すが「1番・大谷」が実現すれば味方を勢いに乗せ、相手にも重圧をかけられる。

 侍ジャパンは過去2大会は準決勝で敗退した。初陣は3月9日の中国戦(東京ドーム)。日本のファンも見守る中、大谷から世界一奪還への旅が始まる。

 【大谷の1番アラカルト】☆プロ初は無安打 日本ハム時代の1年目の13年5月6日の西武戦(当時西武ドーム)に「1番・右翼」で出場。1番はプロ初。4打数無安打でチームも零封負け。

 ☆プレーボール弾 16年7月3日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)で45年ぶりとなる「1番・投手」で出場。初回の初球で先頭打者弾を放ち、8回無失点で8勝目。ここから勢いに乗ったチームはリーグ優勝と日本一を達成した。

 ☆キャットウオーク弾 エンゼルス移籍後4年目の21年6月25日のレイズ戦に「1番・DH」で出場し、メジャー初の先頭打者弾。右翼席後方の看板を越え、地上約18メートルの高さにある名物の作業用通路「キャットウオーク」に運んだ。

 ☆米でもプレーボール弾 22年4月15日のレンジャーズ戦に「1番・DH」で出場し、米移籍後初の初回表初球本塁打。21年の46号も初回先頭弾で、シーズンをまたいで2本連続で記録。

 ≪正尚の「力借りる」≫栗山監督はレッドソックス・吉田について「日の丸を着けてもらう。野手は途中(米国での準決勝)からは、なしなので、なるべく早めに合流してもらう」と東京ドームの1次ラウンドからの出場を明言。オリックスから移籍したばかりで「選んじゃいけないと思っていた」と当初は消極的だったが、本人から出場への強い意欲を感じ「それだけの魂があれば、もう力を借りるしかない」と決断した。これでメジャーリーガーの参加は大谷、ダルビッシュ、鈴木に次いで4人目。あとはメッツに移籍した千賀の動向に注目が集まる。

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