大台突破の広島・西川 来季は全試合出場&「打率3割は最低条件。25本ぐらい打たないと」

[ 2022年12月9日 05:00 ]

契約更改を終えて、来季の新背番号「5」を手にガッツポーズの西川(撮影・河合 洋介)
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 広島・西川龍馬外野手(27)が8日、広島市南区の球団事務所で交渉した。金額は非公表ながら、4400万円増の推定年俸1億2000万円で契約を更改し、1億円の「大台」を突破したことは確実だ。今季取得した国内フリーエージェント(FA)権を行使せず、チームに残留して臨む来季。故障で離脱することなくシーズンを完走し、「3割25発」を達成すると誓った。

 年俸1億円の大台を突破しても、西川は自由だ。ド派手な金髪に、ベージュのスーツをまとって交渉の席へ。金額は非公表としたものの、「しっかり評価していただいた」と小さく笑みをこぼした。

 球団の高い評価とは対照的に、自己評価は相変わらず厳しい。「今年も2カ月間の離脱があったので、あまり働いた感じはない」。下半身のコンディション不良で8月下旬から約2カ月間離脱。出場は97試合にとどまり、シーズン規定打席には「19」届かなかった。

 それでも打率・315の好成績。打撃技術の高さで、体が万全でない時期も結果を残した。加えて「気持ちに変化があった。今年は我慢した」と課題の集中力が改善され、調子が安定。体調さえ整えば、さらなる好成績を残せる自信を深めた。

 「来年は1年間(離脱せずに)やって、どうなるのか楽しみ。打率3割は最低条件。本塁打は、チーム的にも25本ぐらい打たないといけないでしょ」

 今季は10本塁打で、自己最多は19年の16発。長距離打者ではないとはいえ、打撃練習での飛距離はチーム随一を誇っている。「長打ばかり狙っていたら、おかしくなる。結果的に(25本塁打)打てたぐらいでいいかな」。長打を強く意識せずとも、離脱しなければ25発は可能とみている。

 目標を達成するためにも1年間故障しない体づくりを目指し、柔軟性を高める練習に時間を割いている。今オフは体重を維持。マツダスタジアムで初動負荷理論を行う専用マシンを利用したり、練習後に入念なストレッチを行っている。

 「たぶんケガをしたのは、柔軟性を無視してやってきたから。ほぼほぼ試合に出ないと25本塁打は僕の力では無理だし、規定打席にも乗らない。143試合に出られればいい」

 西川が中軸で「3割25発」を達成すれば、リーグ屈指の強力打線が完成する。それでも、「坂倉とか小園が中軸を打たないとカープは強くならない。僕の打順は後ろでいい」と謙遜した。最後まで自由奔放な“龍馬節”。主力としての責任は、語らずにバットで示す。(河合 洋介)

 ○…西川は、敦賀気比の1学年先輩である吉田正がレッドソックスと契約合意したことを受けて、自身のメジャー志向を「興味がないことはない。ただ、まだまだ行けるレベルではない」と言及した。普段から大リーグの試合を見ることを明かした上で、「成績が出れば行きたいと思うかもしれないけど、さすがに成績を出してからでないと、なかなか言えるものでもない」と慎重に言葉を選んだ。

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2022年12月9日のニュース