阪神・青柳「晴れ晴れ」井川超え!球団生え抜き先発投手歴代最高年俸 新背番号17もお披露目

[ 2022年12月9日 05:15 ]

新しい背番号「17」のユニホームをまとい、ポーズを決める青柳(撮影・北條 貴史)
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 阪神の青柳晃洋投手(28)が8日、西宮市内で契約更改交渉に臨み倍増となる年俸2億4000万円でサインした。今季投手3冠、初のベストナイン受賞など、エースとしてフル回転。球団の生え抜き先発投手としては、05、06年の井川慶を抜いて歴代最高俸となった。来季へ向けて早くも配球の変更、新球習得を口にするなど意欲満々。ドラフト下位入団の星は、さらなる進化を期した。

 シーズン中は幾度となく“雨柳さん”と呼ばれても虎のエースのオフは一度も曇天、雨天に見舞われない。

 「(今日の天気は)晴れですかね…」

 青柳は投手3冠、初のベストナインを手にするなどフル回転の活躍を評価され、年俸が倍増となったことに力強くうなずいた。

 「いろいろ活躍できたので、最大限の評価をしていただいた」。昨年、初の1億円に到達したのは助走とばかりに、1年後はさらなるジャンプアップで2億円を軽々突破した。

 球団生え抜きでは歴代5位、先発投手に限れば最高年俸となった。ドラフト5位で入団した1年目の年俸は720万円。7年目を終えて約33倍となり、サクセスロードを駆ける。「僕自身もそうなると思ってなかったし、ドラフト下位で入る子の希望にはなるかな、と。それを球団に言うことも多々ある。(後輩も)活躍したらこれだけ上がるというのは思ってくれる」と誇らしげだった。

 球界ではマイノリティーな変則投法を武器にプロの世界に挑んだ。制球難やフィールディングなど少なくない課題を、地道な努力とたくましいメンタルで克服。下克上を体現し続ける男は「苦手なことがあったり、年俸の低いドラフト下位のお手本になれたら」と初心を忘れずマウンドに上がることを誓った。会見でも「毎年同じことをやって同じ成績を出せるのはプロの世界ではない」とマークが厳しくなる来季へ向けて、対策を講じることを宣言した。

 「打者もレベルアップするし、研究もされる。(対策の)第一は配球とか抑え方を増やすとか。その中で、球種だったり」

 今季は精度の上がったシンカーの割合を増やし、高めも駆使して相手を上回ってきた。多くを語ることはなくても、新たな球種にもチャレンジする構え。投手としてのアップデートにぬかりはない。

 「この給料だから来年15勝しなくちゃいけないとかは全くなくて、今年結果を出したからこそ球団が評価して来年の期待も込めていただける金額。また来年上げられるように自分は頑張るだけ」

 変化していくものがある一方、変わらないのはハングリー精神だ。新背番号17もお披露目したエースの物語には、まだまだ読みたくなる続きがある。(遠藤 礼)

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2022年12月9日のニュース