なにわ男子・藤本監督VS“タカラジャン”野村大 魅惑の舌戦ハードノック

[ 2022年11月16日 12:45 ]

ソフトバンク・藤本監督
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 福岡県出身者にとっては、掛け合い漫才にしか聞こえなかった。ソフトバンク宮崎秋季キャンプ中の6日に藤本博史監督(59)が、2軍指揮官時代からの愛弟子・野村大樹内野手(22)に対し、言葉のキャッチボールを交わしながら愛のハードボイルドノックを放ち続けた。就任した昨秋に続く2度目は67分間で計384スイング。前回は野村大が両足がけいれんして強制終了となり、69分間で389本だった。今回も正(せい)の字で数え続け、耳で聞き続けた。

 打ち手と捕り手の名コンビ、まさにヒロシ&ダイジュはボケ、ツッコミが即興で入れ替わっていた。指揮官は大阪府出身の“なにわ男子”で、野村大は歌劇団でおなじみ兵庫県宝塚市出身のタカラジャン。まあ、関西人は、すべらない。福岡市出身でお笑い好きにとっては関西弁は新鮮。周囲も、わいていた。

 午後2時36分に特守はスタート。野村大が何かを口に含むと、舌戦から幕を開けた。

 野村大(以下 野)「ちょっと、ミネラル(粉末)のみます」

 藤本監督(以下 藤) 「ナンボ、飲んでも一緒や。何が、ミネラルや」

 正面ばかりのゴロが続くと…

 野 「監督、お優しい」

 藤 「秋のサービス期間中や」

 15本目が過ぎると…

 野 「ナイスノック、監督」

 藤 「足つったんちゃうんか、いける?」

 野村が横っ飛びで好捕し観衆から拍手を浴びると…

 藤 「今のは、こけただけ。拍手はまだ」

 野 「楽勝ですが、きついです。ちょっとミネラル(粉末)」

 両者は笑いながら競演し、なにわノッカーが、17分間打ち続けた後に休憩に入った。

 第2ラウンドがスタート。超激戦の三塁手のレギュラーを狙う愛弟子に7本目にチャンスタイムが到来する。

 藤 「コレ取ったら、来年サードやらせたるわ」

 球は強烈な三・遊間のゴロ。飛びつくも捕球できずに叫ぶ

 野 「現実、きびしー」

 22分間、打ち続けた後に再び休憩。第3ラウンド開始とともに、和歌山県出身の紀州紳士こと小久保裕紀2軍監督が登場し、ネット裏で笑顔で見守った。異様な空間の中で、なにわノッカーは球際を攻める、厳しいゴロを連発し続けた。

 藤 「もう終わり? こけてばっかりや」

 野 「いや、これぞファインプレーです」

 両者はしゃべりながら交流し続けた。野村大のアクシデントで終了となったが、藤本監督は成長と達成感を明かしていた。

 「いやー、うまなっとるわ。あとはスローイングや。運動不足やったから、ひさびさ、ええ、運動なったわ。はい、休養や」。第1クールのオフ日に入った。秋の宮崎にて、切れ抜群な関西弁も鋭い打球も飛び交った。聞いて、見て、素直に何かおもろかった。(記者コラム・井上満夫)

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