広島・新井監督が初指導、軽妙かつ絶妙な声掛けで若手を鼓舞 モチベーターぶり早くも発揮

[ 2022年11月16日 05:00 ]

矢野(左)を打撃指導する新井監督(撮影・奥 調)
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 広島の新井貴浩監督(45)が15日、秋季日南キャンプ合流2日目にして期待の若手を初指導した。フリー打撃の合間に二俣や育成の前川らに簡潔明瞭な助言を与えると、2人は直後の紅白戦でさっそく安打をマーク。特守に汗を流す羽月には軽妙かつ絶妙な声かけでやる気を高め、モチベーターとしての才能を早くも発揮してみせた。

 全体練習終了後に天福球場左翼後方のグラウンドで始まった午後の特守。見守った新井監督と必死にゴロを追う羽月との間で、笑いを呼ぶ軽妙かつ絶妙なやり取りが交わされた。

 新井監督「褒められて伸びるタイプ?しかられて伸びるタイプ?」

 羽月「褒められて伸びるタイプです!」

 新井監督「かしこまりました(笑い)。キク(菊池涼)に勝てる?」

 羽月「勝てます。いや、無理です。無理です。勝ちます!」

 新井監督「オー、いいじゃないか。いつもこんなに動きがいいの?」

 羽月「今日もいいです。特にいいです」

 観察に徹した合流初日から一転、2日目は自ら積極的に動いた。18年までの現役時代を知る選手よりも、初めて接する若ゴイの方が多い現実。声をかけることで距離を縮め、気持ちをくすぐる。コミュ力のある新井監督ならではの行動だった。

 「キクに勝てるかと聞いて、“頑張ります”と返ってくると思ったら“勝てます”と断言した。面白いね。10年連続ゴールデングラブ賞ですからね。今日はそれでしょう」

 冗談めかしながらも22歳に頼もしさを感じ取る指揮官。紅白戦前の打撃練習では大盛、正随、田村、二俣、育成の前川の5選手に初めて指導した。その成果か二俣、前川は実戦でそろって安打をマーク。中でも、支配下登録されたばかりの20歳に熱視線を送った。

 「ヒット1本打ったけど、結果は見ていない。しっかり強く振れているかどうか。その観点で言うと、二俣がしっかり振れていた」

 声をかけられ、助言を得た若ゴイは気持ちの高ぶりを隠さない。「冗談かもしれないですけど、“キクに勝てるか?”と新井さんに言ってもらえることでモチベーションになる。素直にうれしい」と羽月。二俣も「“三振を怖がらずどんどん振っていけ”と。それで打席の中でも余裕が出て、自分から仕掛けられたかなと思います」と効果を口にした。

 合流2日目ながらナインの目の色は明らかに変わった。選手を鼓舞し、やる気を引き出すモチベーター。新監督にはすこぶる中身の濃い秋になりそうだ。

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2022年11月16日のニュース