落合博満氏が中日監督時代に「ヘッスラ」を禁止した選手 その禁を破った伝説の走塁を語る

[ 2022年11月16日 17:15 ]

落合博満氏
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 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督としては中日を4度のリーグ優勝に導いた落合博満氏(68)が16日、自身のYouTube「落合博満のオレ流チャンネル」を更新。中日時代に故障防止を目的にヘッドスライディングを禁止にした選手について、語る場面があった。

 「全員じゃないですよ。特定の選手だけ。荒木(雅博)、平田(良介)。ホームでは絶対ヘッドスライディングはするなっていうことをね。けん制球で帰塁するときも、ヘッドスライディングじゃなくて、ちゃんと足で帰れよ」と落合氏。なぜ2人なのかについては「肩に不安があった。脱臼癖があるとかね。だから、絶対足で帰れよ、っていうことは言っていた」と語った。故障しては逆にチームに迷惑をかけるだけに「(もし)やったら次の日ゲーム出れなくなるぞっていうようなね」と厳格な決め事としていたことを明かした。

 ただ、この「禁止事項」を荒木は破った。2011年9月23日のヤクルト戦(ナゴヤドーム)。2―2の同点で迎えた8回2死二塁。二塁走者の荒木は井端の中前打で一気に本塁へ突入。捕手の相川を避けるように飛び込み、左手でベースをさわり勝ち越した。この試合に6─2で勝利。実は落合氏はその前日の9月22日に退任が発表されていた。

 「あれは“もうオレ(落合)は辞める監督だから怒られることはねえだろ”っていうようなことを(後から)なんか聞いたような気がしたけども。うん。あの走塁は見事だったね。タイミング的には完璧にアウトのタイミングだったけども、空中飛んでたもん。でもまさか、あそこで頭から突っ込んでくるとは思ってなかったけどね」と落合氏は懐かしそうに振り返った。

 今でも鮮明な記憶として残っているという。9月22日時点では首位に3・5ゲーム差つけられていたが、逆転優勝を飾るきっかけとなる走塁ともなった。「次の日からなんの影響もなくプレーしてたから、ホッとはしたけども。まあ、それだけ選手が勝ちに執念を燃やしてたっていうことですよ」と話していた。

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