【夏にカケル 高校野球地方大会注目球児<2>】四日市中央工・津波英太郎投手 “公立の星”の可能性

[ 2022年6月22日 06:00 ]

「心は熱く 頭は冷静に」と最後の夏に挑む四日市中央工・津波(撮影・坂田 高浩)
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 全国的にはサッカーで名をはせる四日市中央工に、野球で突出した才能を持つ投手がいる。津波英太郎(3年)は最速143キロを誇る大型右腕。すでに複数球団のスカウトが視察に訪れるなど“公立の星”になる可能性を秘めている。今は無名だが、最後の夏に一旗揚げるつもりだ。

 「強豪を一つ倒してまずは県8強に入りたい。そうしたら4強、その先が見えてくる」

 同校は91年に全国高校サッカー選手権を制し、浅野拓磨(ボーフム)ら数々の日本代表を輩出した名門だが、野球部は甲子園出場がなく、出身プロもいない。津波も「就職を考えて」入学したが、そこから球速が20キロ、体重が15キロアップ。サッカー部以外にも昨夏のインターハイを制覇した水球部など、高校トップレベルで競う同級生たちからも刺激を受け、「上のステージでも野球を続けたい」と思うようになった。

 西脇規容監督からも「ピッチャーらしいピッチャー。黙々と、やるべきことをこなしていけるタイプ」と信頼を受ける。冬のオフ期間には動画で体重移動を研究。股関節に体重を乗せる“ポイント”を発見し「低めの威力が上がり、制球が良くなった」。迎えた今春は県北地区予選で敗退したが、県準優勝で東海大会に出場した強豪の津田学園と5―6の接戦を演じた。「三振も取れたし、通用すると思った」と夏へ向けての自信を深めた。

 生まれも育ちも三重県だが、大の阪神ファン。猛虎の本拠地で戦う権利を手にできるような、ビッグウエーブを起こす。(北野 将市)

 ◇津波 英太郎(つは・えいたろう)2004年(平16)11月24日生まれ、三重県四日市市出身の17歳。羽津小4年から羽津野球少年団で野球を始め、羽津中では軟式野球部に所属。四日市中央工では1年夏からベンチ入りし、同秋からエース。球種はカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ。憧れの投手はツインズ・前田健太。1メートル83、76キロ。右投げ右打ち。

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2022年6月22日のニュース