ロッテ・朗希 164キロ5球でトップタイ無傷5連勝 直球平均球速は世界最速クラス161.1キロ

[ 2022年5月21日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ8ー1ソフトバンク ( 2022年5月20日    ペイペイD )

<ソ・ロ>初回2死、164キロで柳田から三振を奪う佐々木朗(撮影・長久保 豊)
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 ロッテ・佐々木朗希投手(20)は20日、ソフトバンク戦に先発し、6回4安打1失点でリーグトップタイの5勝目を挙げた。千賀滉大投手(29)との2度目の投げ合いが注目されたが、最速164キロを5球投げ、直球の平均球速は161・1キロと自己最速をマーク。歴代大リーグ記録と比較しても遜色のないスピードを誇示し、実績十分の先輩右腕に堂々と投げ勝った。

 佐々木朗が160キロをマークしても、誰も驚かなくなってしまった。4回1死で柳田を簡単に2ストライクに追い込むと、外角高めの164キロ直球を見せた後に、150キロフォークで空振り三振だ。6回4安打1失点、9奪三振で今季5勝目。試合前には千賀との164キロ対決と注目されたが、4回4失点で降板した相手のエースも、打線も圧倒した。

 「(千賀との投げ合いは)2度目なので気にすることなく、打者に集中して投げた。序盤に点を取ってもらって、思い切って投げることができた。打線に感謝しています」

 自己最速タイとなる164キロを計5度マークし、この日の直球の平均球速は自己最速を更新する161・1キロとなった。日本球界を飛び越えて、メジャーでもトップクラス。計測システム・スタットキャストによる記録が残る2015年以降、最速記録である21年6月にデグロム(メッツ)がマークした161・5キロにも肉薄し、歴代3位タイに相当する数字となった。

 それでも3年目右腕は「直球に強さはあったけれど、コントロールが全然よくなかった。そういうところは修正したい」と3四死球を反省した。以前はシュート回転する直球も目立ったが、そんな課題も減少。球速と制球の両方を追い求める理想も実現しつつある。

 4月10日のオリックス戦で完全試合を達成し、相手チームによる研究・分析も一気に進んだ。佐々木朗も「簡単にヒットを打たれるのはもったいない。なるべく相手が考えていない球を投げながら、苦しいカウントにならないよう意識しています」と包囲網の先を行こうと思考を巡らす。

 2回2死の柳町から4回2死の柳田まで6者連続三振をマークしたが、6人中4人は初球フォークから入った。直球狙いの打者を逆手に取る作戦も成功している。球団の先発投手では16年涌井以来となる開幕5連勝。リーグトップタイの勝ち星に加え、奪三振数(87)、勝率(10割)と投手3冠をキープした。力強さが増す直球に加え、変化球とのコンビネーションも深まる。どこまで進化するのか、怪物のポテンシャルを測ることは、まだ誰にもできない。(横市 勇)

 ≪VSソフト初白星≫20歳の佐々木朗が無傷の5連勝。ロッテ投手の開幕5連勝以上は、先発では16年涌井(現楽天)の5連勝以来だ。ソフトバンク戦は初勝利。自身のカード別勝利数を見るとオリックス、楽天、西武、阪神に次ぐ5球団目の勝利で、パで白星なしは日本ハムだけとなった。

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