ドラフト「隠し玉」関東学園大付・西浜 高校で球速40キロアップ!まだまだ伸びる好素材

[ 2020年10月13日 05:30 ]

ドラフト「隠し玉」 ハンター菊地選手の発掘ナイン

関東学園大付の西浜
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 【関東学園大付・西浜勇星投手 17歳】15年以上高校野球を取材していますが、高校3年間で球速が40キロも速くなった投手など初めてです。

 西浜が入学当時が最速107キロ。関東学園大付・羽鳥達郎監督も「この学年でもっとも目立たない選手」と証言するほど平凡な選手でしたが、今では最速147キロ。入学後最初の紅白戦で2死しか取れず8失点して一度は投手失格のらく印を押されましたが、その秋に122キロ、高2年春に135キロで秋は140キロにまで到達。今夏の群馬独自大会では146キロ、さらに9月の高校生合同練習会(東京ドーム)では147キロをマークしました。

 ここまで成長した要因は、動画サイトの「レジースミス ベースボール:ジャパン」でアップロードされていた、速球派投手の動画を見たことだそうで「肘から上げて肘から出す日本人らしい投げ方ではなくて、胸郭周りや肩甲骨周りの“大きい筋肉”を使う投げ方を学びました」と西浜は振り返ります。

 プロでいえば、ロッテ・小野郁投手(23)に近いタイプでしょう。大きなテークバックを取り、腕の重量感を生かした直球を投げる共通点があります。今後は小野のように、ストレートだけでなく信頼して投げ込める変化球も習得してもらいたいです。

 野球を始める前の西浜はカードゲームに命をかけるほど取り組んでいたそうで、なかでも「バトルスピリッツ」(通称・バトスピ)に入れ込んでいたそう。小学3年時に東京で開かれた大会では優勝を飾っています。父・孝光さんの「やると決めたらとことんやる」という教育方針のため、深夜0時までカードゲームの練習をしていたとか。西浜の戦略的に物事を考える習慣は、カードゲームの影響だったようです。

 「24歳までに161キロを出す」と決意を語る西浜。平凡な球児から球界の速球王へ。ロマンあふれるサクセスストーリーはまだ続いています。(フリーライター)

 ◆西浜 勇星(にしはま・ゆうせい)2002年(平14)11月23日生まれ、群馬県太田市出身の17歳。中学では本庄ボーイズに所属。関東学園大付では2年夏からベンチ入り。今夏の群馬独自大会で初めて背番号1を背負う。参考にしている投手はレッズ傘下マイナーのハンター・グリーン投手(21)。1メートル80、76キロ。右投げ左打ち。

 ◆菊地選手(きくちせんしゅ)1982年(昭57)生まれ。本名・菊地高弘。雑誌「野球小僧」「野球太郎」の編集部員を経て、2015年4月からフリーライターに。ドラフト候補の取材をメインに活動し、ツイッター上で「大谷翔平」とツイートした最初の人物(2010年10月8日)。野球部員の生態を分析する「野球部研究家」としても活動しつつ、さまざまな媒体で選手視点からの記事を寄稿している。著書にあるある本の元祖「野球部あるある」(集英社)などがある。ツイッターアカウント:@kikuchiplayer

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