阪神・北條 走者一掃の逆転二塁打 主将代行大活躍「ここしかないと思っていた」

[ 2020年7月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神5―2中日 ( 2020年7月24日    ナゴヤD )

7回1死満塁、逆転の適時二塁打を放ちガッツポーズを決める北條(撮影・大森 寛明)
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 代役キャプテン、やりました!! 阪神・北條史也内野手(25)が24日の中日戦で1―2の7回1死満塁で左越えに走者一掃の逆転&決勝の二塁打。右手有鉤(ゆうこう)骨で離脱した糸原に代わる主将代行がチームに再び貯金1をもたらした。2位のヤクルトにも1ゲーム差に接近した。

 北條は小さく拳を握った。勝利を決定づける逆転の3点二塁打を放ち、二塁ベース上で笑顔がはじけた。

 「ここしかないと思っていた。青柳さんも頑張っていたので、何としても打とうと思っていた」

 1―2の7回1死満塁で、岡田の真ん中直球を思いきり引っ張った。「捕られるかなと思ったが、外野が前に来ていたので、よかった」。三遊間を抜けるゴロでもなく、犠飛でも無い。弾丸ライナーは逆転されたくない相手の守備陣形を上回った。

 その前の打席のうっぷんを晴らした。1―2の5回1死一、三塁でセーフティースクイズをファウルし、最後は空振り三振。下を向いてベンチに戻った。3回に遊撃内野安打を放っていたものの、このまま終わっていれば悔しさしか残らなかった。

 「右手有鉤(ゆうこう)骨の骨折」で離脱した糸原の分まで、主将代行として重責を全うしようと必死だ。「あまり考えすぎないように。試合では思い切ってやろうと思っている」。23日に矢野監督から代理キャプテンに指名された。攻撃時はベンチで声を張りあげ鼓舞。守備でもピンチの場面では投手のもとにかけ寄り、言葉をかける姿もあった。治療に専念する糸原にも連絡を取り、「大丈夫ですか?」と気遣いも忘れてはいない。

 強い精神力があるからこそ、ここぞの場面で結果も出せる。「高校野球でメンタルを鍛えられた。無我夢中でやっていたから」。10代の夏休みのこの時期は日が暮れるまで泥だらけになり、逃げ出したくなるほど練習を積んだ。その強い気持ちがプロでも生かされている。23日に母校の八戸学院光星(当時は光星学院)が青森県の独自大会で4強に進出。同じようにいま猛練習している後輩たちの奮闘が、刺激にならないはずがない。

 21日広島戦で開幕から18打席目にして今季初安打となる本塁打を放ち、チームの進撃にようやく加わった。29日に26歳になるこの夏も、熱くする。(長谷川 凡記)

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2020年7月25日のニュース