【追球ズーム】監督が先か、審判が先か…判断求められる「リクエスト」

[ 2018年3月31日 09:48 ]

セ・リーグ   巨人1―5阪神 ( 2018年3月30日    東京D )

<巨・神>2回1死、長野の打球でリプレー検証を求める高橋監督
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 卵が先か、ニワトリが先か。2回1死で巨人・高橋監督が「リクエスト」を行った。長野の左翼ポール際への大飛球はファウルの判定。指揮官はリプレー検証を要求も、判定は覆らなかった。12球団で第1号の新制度適用。佐々木二塁塁審(責任審判)は「開幕から“いい例”になったと思います」と話した。

 この場面。まず高橋監督がベンチを出たが、審判団は「ちょっと待って」と止め、4人でフェアかファウルかを協議した。「全員がファウルとの見解だった。高橋監督に伝えて、“どうしますか?”と聞いた」と佐々木審判。その上でのリクエストだったという。

 ただ、1人でも「本塁打では?」との意見があれば、審判団の判断でリプレー検証を実施していた。これは昨季と同じだが、そうするとリクエストは必要がない。監督にしてみれば、9回まで2度と回数が決まっている中で結果的に「1回分を得する」ことになる。

 監督が先か、審判が先か。「今日は想定内でしたが、タイミングは難しい」と佐々木審判。リクエストならではの悩ましい判断が、今後も指揮官には求められそうだ。 (鈴木 勝巳)

 《新ルール1号》

 ☆リクエスト初適用(東京ドーム) 巨人・高橋監督が2回1死から長野の左翼ポール際へのファウル判定に対してリプレー検証を要求し、判定通りファウルとして再開された。

 ☆リクエスト初成功(ZOZOマリン) ロッテ・井口監督が初回1死一、二塁からの一ゴロで併殺を狙って打者走者がセーフになった判定に対してリプレー検証を求め、アウトに覆った。

 ☆初申告敬遠(横浜) DeNA・石田が3回2死三塁でヤクルトの8番・中村を1球も投げずに一塁へ歩かせ、続くブキャナンを二飛に抑えた。

 ◇リクエスト 審判が必要に応じて実施していたリプレー検証を、監督から審判に求められるようにした制度。検証の適用範囲は「本塁打かどうか」「本塁でのクロスプレー」のみから、全ての塁でのアウト、セーフの判定に拡大される。適用外は「ストライク、ボール」「ハーフスイング」「コリジョン」など。9回まで最大2回使える。判定が覆れば回数は減らず、延長では新たに1回可能。結果に異議を唱えると退場処分となる。

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2018年3月31日のニュース