石井一久氏 大谷はノーステップで反応アップ 次のステップは角度

[ 2018年3月31日 08:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス5―6アスレチックス ( 2018年3月29日    オークランド )

2回2死一塁、右前打を放つ大谷
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 【石井一久氏 大谷メジャー打者デビュー戦分析】 メジャー初打席初安打を放ったエンゼルス・大谷の打者デビュー戦を、本紙評論家の石井一久氏が分析。オープン戦では内角球の対応に苦しんだが、試行錯誤の末、ノーステップ打法に変えたことで、反応が格段によくなったと評価した。

 メジャーでは新しく出てきた打者には、まずは内角を徹底的に攻める傾向があり、大谷もオープン戦では苦しんでいた。アスレチックスのバッテリーもそのデータは分かっており、この試合でも内角中心に攻めてきた。

 これに対し、第1打席は初球の内角カットボールにしっかり反応して右前打。ヒットになった打席は、当然いい打ち方をしているものだが、凡打になった打席でも内角球に対し、バットの出方がスムーズになり、速いスイングができていた。

 注目したいのは、第3打席。左腕バクターはインステップ気味に踏み出し、背中の方から角度ある直球を投げてくる投手だが、ファウルになったものの、初球、2球目とフルスイングできていた。DHという役割を任せられる以上、「左投手は打てない」というわけにはいかない。最後は外角の変化球を引っかけた(一ゴロ)が、左投手の内角球に対し、迷いのないスイングができたのは収穫だ。

 執拗(しつよう)な内角攻めや、メジャー独特のテンポの速い投球フォームを経験する中で出した答えが、ノーステップ打法。やはり、大谷の適応の早さには目を見張るものがある。オープン戦で苦労したかいはあった。

 次はいかにして打球に角度をつけるか。この日はボールの上を叩いており、フィールド内に飛んだ打球は全てゴロだった。メジャー独特の微妙に動く球にどうアジャストして、打球を上げるかが次のステップになる。 (本紙評論家)

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2018年3月31日のニュース