西武・愛斗、次代を担う若獅子 今季最低ラインは「2軍で全部一番」

[ 2018年3月31日 12:30 ]

西武の愛斗
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 チャンスは絶対に無駄にしない――。そんな強い思いが伝わってきた。西武の3年目外野手・愛斗が20日、楽天とのオープン戦(メットライフドーム)で7回に代打で今季1軍実戦に初出場。左前打を放つと、翌21日の同戦も代打で右前打。2軍からの“一時的昇格”ながら、存在感をアピールした。両日とも天候不良で西武第2での2軍戦が中止となったため、訪れた試合参加のチャンス。きっちり結果を出した。

 「去年は1軍では戦力になれなかった。2軍で結果を出したときもあったけど、ケガが多かった。トータルでは悔しいシーズンだった」

 昨年4月、イースタン・リーグの試合中に左膝を負傷。約1カ月実戦から遠ざかったが、6月15日にプロ初の1軍昇格を果たした。同16日の中日戦で代打でデビューし、7月7日の楽天戦では初スタメンも経験した。だが、1軍では9試合で計5打数無安打。7月23日に出場選手登録を抹消された。約1カ月間1軍に同行したが、秋山、金子侑ら外野レギュラー陣の壁は厚かった。

 8月はイースタン・リーグで打率・327と打ちまくりファーム月間MVPに輝いたが、同月下旬の練習試合で守備中に右肘を痛めた。シーズン終了後の秋季南郷キャンプには参加できず、所沢で残留練習。「こんなにケガに悩まされたのは野球人生で初めて」と振り返る。

 それでも、1カ月の1軍生活では見るものも聞くことも全てが勉強だった。その中で、気づいたことがある。

 「1軍では、一発目の印象が大事。自分が今までやってきたことをやろうとする気持ちで、ワンチャンスをものにできればデカイ」

 その例として、愛斗は山川を挙げた。昨季序盤は2軍に甘んじていた山川だが、7月8日に1軍昇格すると、当日の楽天戦でいきなり代打2ラン。存在感を強く印象づけ、後半戦は不動の4番に座り4年ぶりのCS進出に貢献した。「山川さんは、一発目で強烈に決めている」。手にしたチャンスがどんな形であれ、最初に強いインパクトを与えることが大事だと痛感した。

 今季の開幕を1軍で迎えることはできなかったが、明確な目標がある。「今季、最低ラインとして考えているのは、2軍の首位打者、本塁打王、打点王、最多安打。盗塁数は人並みとして…全部一番になりたいんです。そして、一日でも早く1軍の戦力になれたら一番いい」。4月6日で21歳。次代を担う若獅子の目は、本気だ。(記者コラム・原田 真奈子)

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2018年3月31日のニュース