メッセ NPB助っ投史上最多開幕戦3勝「信頼を結果で返したかった」

[ 2018年3月31日 05:55 ]

セ・リーグ   阪神5―1巨人 ( 2018年3月30日    東京D )

<巨・神>5回2死二、三塁、吉川尚を二直に打ち取りガッツポーズのメッセンジャー
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 魂の熱投でエースたるゆえんを示した。開幕投手を務めた阪神・メッセンジャーが、7回7安打1失点と役割を果たし、チームの開幕戦勝利を呼び込んだ。

 「順調だった。思い描いていたプランがうまくいった。7本ヒットを打たれたけど、うまく投げられた」

 緊張感あふれるマウンドで存分に力を発揮した。初回1死一、二塁のピンチでゲレーロを見逃し三振に斬るなど、無失点。打線の援護も推進力に7回までを投げ抜いた。ベンチに腰を下ろすと、駆けつけた金本監督とがっちり握手。2カ月前に託された「使命」を果たした瞬間だった。

 「監督を失望させるわけにはいかなかった」

 キャンプイン前日に指揮官から直接、開幕投手を通達された。4年連続5度目の大役も、最も早い段階でバトンを渡されたことを意気に感じた。「この信頼を結果で返したいと思って過ごしてきた」。ただ、道のりは決して平坦でなかった。

 キャンプ終盤に右肩に鋭い痛みが走った。ノースロー調整を強いられるなど、2週間、実戦から離れた。故障知らずのエースに訪れたアクシデント。首脳陣だけでなく、心配の声をあげたのは、長年連れ添うベネッサ夫人だった。

 「大丈夫なの?開幕は投げられるの?」と深刻な表情の愛妻に夫は、首を振った。

 「これまでも痛い時に俺は投げ続けた。それを君は見てきただろう。それを考えれば問題ないだろ?」

 この夜、エースとして、そして一家の大黒柱として、「答え」を出した。開幕戦3勝目はブロスを抜いて助っ人単独トップと、歴史にも名を刻む白星だ。

 試合後、敵地でのヒーローインタビューでは、巨人戦での開幕戦勝利を問われると「ソウデスネ。サイコウデス!」と日本語で答え、虎党の喝采を浴びた。その大きく、頼もしい背中で、今年も猛虎をけん引する。(遠藤 礼)

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