“奇襲”1番高山 執念打 気迫ヘッスラ「本当に食らいついた」

[ 2018年3月31日 06:35 ]

セ・リーグ   阪神5―1巨人 ( 2018年3月30日    東京D )

<巨・神>2回2死満塁、高山は二塁適時内野安打を放ちヘッドスライディング
Photo By スポニチ

 「奇襲」成功だ。阪神・金本監督が1番に抜てきしたのは、大方の予想を覆して高山だった。オープン戦で一度も1番起用がなかった背番号9が「執念」を体現し、勝利に貢献した。

 「本当に食らいついたら、転がっただけです。何とかしようという気持ちだけでした」

 バットと足と気持ちで、大きな1点を生み出した。2回だ。1点を先制し、なおも2死満塁で2打席目に立った。どうしても、もう1点ほしい場面。1―2から外角低めのカーブを引っかけた。打球は高いバウンドの二ゴロ。それでも高山は懸命に走った。そしてヘッドスライディング。凡打を適時打に昇華させた。さらに4回にも右前打を放ち、マルチを記録。指揮官の期待に、「執念」で応えてみせた。

 「コーチ全員で話し合って決めました。昼です。投手コーチの意見も聞いて。どういう打線を組もうか、と本当に迷っていたので」

 指揮官の決断が奏功した。オープン戦では1番起用なし。「1番・高山」は、まさに、ぶっつけ本番となる。昨季、菅野から7打数4安打、打率・571の好相性が追い風だったが、なおも指揮官は迷った。全コーチと話し合い、投手コーチにまで意見を求めるほどだった。それでも最後は「もう怖がらずに彼を信頼して」決断。腹心の片岡ヘッドコーチも「相性と昨日の練習の状態の良さで。監督が高山に賭けたということ」と補足した。

 貧打で最下位に沈んだオープン戦がウソのように、13安打5得点の猛攻。指揮官も「これだけ打ってくれるとは、ちょっと思っていなかった」と目を丸くした。その大きな要因の一つは、間違いなく「1番・高山」だった。(惟任 貴信)

続きを表示

この記事のフォト

2018年3月31日のニュース