中日・京田 なるか“ミスター超え” セ新人最多153安打にあと12

[ 2017年9月19日 10:30 ]

5回2死、京田は二塁内野安打を放ち球団新人最多安打を達成する
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 中日の京田陽太内野手(23)が18日の巨人戦で2安打を放ち、今季通算141安打。1959年に江藤慎一がマークした球団新人最多安打記録(139安打)を更新した。

 「毎日の1本1本の積み重ねが今にある。1日1本打てるようにこれからも頑張りたい」

 青森山田、日大を経て16年のドラフト2位で入団。当初から足と守備には定評があり、打撃が課題とされていた。それでも3月31日の開幕戦で「7番・遊撃」でスタメンに名を連ねると、2打席目に右前打を放ちプロ初安打を記録。「僕の中で一番印象に残っている」とプロ野球選手としてスタートを切った。4月こそ、初めて対戦するプロの投手に苦戦したが、リードオフマンに定着した5月以降は着実に安打を積み重ねた。

 打撃は着実に進化する一方で、忘れられない試合もある。5月28日のヤクルト戦。2回無死一塁でゴロをグラブに当てながら後逸。大量失点のきっかけをつくってしまい、試合後には涙を流したという。「その試合で1球の大切さ、野球の怖さを覚えた」と京田。その後は試合のない月曜日でも休日返上し、森脇、奈良原両内野守備走塁コーチからノックを受ける姿を、たびたび見受けた。日大の仲村恒一監督は、大学時代の京田を「誰にも負けない練習量でチームを引っ張っていた」と振り返る。プロでもその姿勢が変わることはなかった。

 仲村監督が京田の打撃に変化を感じ取ったのは、4年時に日米野球の日本代表に選出されてから。同世代のトップレベルの打者や米国の強打者を間近で見て「それまではバットに当ててヒットを稼いでいたが、しっかり振り切るようになった」という。「いつもグラブを握っていたのバットを持つ時間が3倍になった」と仲村監督。俊足の京田は内野安打の数は多いが、当てて転がすのではなく、しっかり振り切った末の安打だと力説する。

 1年目からの活躍に「落ち着いて野球をやっている。大学時代はプレッシャーにびびるタイプだった」と笑いを誘い「引退するまで手抜きせずやれと言っている」と続けた。

 中日の今季の残り試合は11。1958年に長嶋茂雄が記録したセ・リーグ新人最多153安打も射程圏内に捉えた。お立ち台では「長嶋さんを抜いちゃうと、いろんな…」と球界を代表するスーパースターに畏敬の念を抱きつつ「抜けるように頑張ります」と気を引き締めた。

 ミスターまで、あと12本。チームは5年連続Bクラスが濃厚だが、中日ファンを最後の最後まで楽しませてくれそうだ。(記者コラム・徳原 麗奈)

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2017年9月19日のニュース