中日 ドラ4笠原が大仕事!“新潟の星”3度目挑戦で初白星

[ 2017年9月19日 05:30 ]

セ・リーグ   中日2―0巨人 ( 2017年9月18日    ナゴヤドーム )

力投する中日・笠原
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 その瞬間、色白の顔が紅潮した。0―0の8回、先頭で打席が回った中日の笠原は代打を送られ、2死二塁となった。代打・藤井が決勝2ラン。ベンチで両拳を突き上げた。

 「この回、点を取ってくれると信じて待っていた。1勝したかった。うれしいです」

 新人左腕は中継ぎで結果を残し、来季に向けて9月から先発機会を得た。3度目の挑戦。8回を2安打、三塁を踏ませない快投で巨人打線を無失点に抑えた。初回1死一塁では坂本勇を139キロ直球で二ゴロ併殺。3回2死一、二塁でも140キロで二ゴロに仕留め「直球を腕を振って投げれば際どいコースじゃなくても打ち取れる」と球界を代表する打者にも臆さなかった。

 新潟で生まれ育ち、新津高では県大会2回戦が最高成績の「無名の投手」だった。素質が開花したのは新潟医療福祉大に進学後。創部したばかりの野球部に1期生として入部し、かつて強豪の新潟明訓で指揮を執った佐藤和也監督(61)の下、練習に励んだ。

 高校時代は週3回だった投げ込みは毎日になり「投げる筋力がついた」と最速は135キロから147キロまでアップ。「1期生で先輩がいなくて試合でいっぱい投げさせてもらったのが大きい」と4年時には大学日本代表候補にまで成長。昨秋のドラフトで中日から4位指名を受け、新潟の大学からは初のプロ野球選手となった。

 手渡されたウイニングボールは「実家に送りたい」と満面の笑みを浮かべた22歳。「地方の星」は低迷する中日の「希望の星」になった。 (徳原 麗奈)

 ◆笠原 祥太郎(かさはら・しょうたろう)1995年(平7)3月17日、新潟県生まれの22歳。新津では1年秋からベンチ入りも甲子園出場なし。新潟医療福祉大では関甲新リーグで3年秋に1部昇格を果たし、リーグ新の73奪三振を樹立。4年春には無傷の6勝、防御率0・72で2冠。姉・千鶴さん(24)は15年まで防衛大の硬式野球部唯一の女子部員で、日本代表候補になったことも。1メートル77、85キロ。左投げ左打ち。

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