広島 菊池でM25!カ舞吼ユニで一撃必殺ブキャナン討ち

[ 2017年8月19日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1―0ヤクルト ( 2017年8月18日    マツダ )

<広・ヤ>5回2死、左越えに13号ソロを放つ菊池
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 甲冑(かっちゅう)に身を包み、馬にまたがる。戦場で敵とすれ違う――。生き残るのは、一撃必殺の腕の持ち主。「陣羽織」を身にまとった広島・菊池が、一撃で決めた。緊迫の1―0勝利を自軍にもたらした。

 5回2死。カウント3―1から、高く浮いたブキャナンのカットボールを捉えた。直前の4球目、外角低めのカーブを見逃した時に狙い球を絞った。「打ちにいって見逃せた。あまりない感覚。そこで直球系に絞ることができた」。狙い通りの球を叩いた左越え13号に、緒方監督は「よく一発で仕留めてくれた」と最敬礼した。

 今季キャッチフレーズ「カ舞吼(かぶく)」がテーマのユニホームを限定着用する3連戦の初戦だった。広島藩浅野家に仕えた上田宗箇(そうこ)が大坂夏の陣で着た陣羽織がモチーフ。千利休に学んだ茶人として名高い武将だ。菊池も「茶」には縁がある。長年愛飲する「サントリー烏龍茶」のアンバサダーを務め中国・四国地域では「菊池ボトル」が販売されている。

 好投した中村祐は昨年1月に自主トレをともに行った後輩。シーズンに入って食事に出掛けた際、「僕が投げている時は守りやすいですか」と聞かれた。「悪くないと思う」。超一流の守備力を誇る男の言葉だけに、若手の大きな励みになった。

 自己最多だった昨季の本塁打数に111試合目で並んだ。それでも「関係ない。バントや進塁打とか、やることがある」と足もとを見つめる。マジックは1つ減って25。お立ち台で「絶対に優勝します!」と宣言した。

 ▽上田宗箇(1563〜1650)丹羽長秀、のち豊臣秀吉に仕え、関ケ原の戦いには西軍で参戦。戦後は蜂須賀家、のち浅野家が治める紀伊へ招かれた。大坂夏の陣は徳川方で大功を挙げ、戦後は浅野家に従って広島に入った。茶の湯のほか、作庭にも優れた。

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