阪神・秋山「ここからが勝負」8年目初10勝&プロ1号

[ 2017年8月19日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神10―4中日 ( 2017年8月18日    ナゴヤドーム )

<中・神>6回2死二塁、右越えにプロ1号となる2ランを放つ秋山
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 阪神・秋山拓巳投手(26)が、18日の中日戦で7回5安打2失点の好投を見せ、プロ8年目にして初の2けた10勝目をマークした。6回には右翼スタンド中段に飛び込む推定飛距離130メートルのプロ初本塁打もマークし、大台に花を添えた。4勝をマークした高卒1年目以降、伸び悩んできた男が価値ある1勝を手にした。

 「必死に」―。度重なる試練にも秋山は、胸に刻んだ言葉を思い返し、腕を振った。

 7回、先頭・ゲレーロに二塁打を浴びたところで爪でひっかいた親指に裂傷を負い、ベンチへ。治療を受け、続投。1点を失ったものの、最後は143キロ直球で松井佑を空振り三振に仕留め、105球の熱投を締めた。

 右足の張りを訴え、5日のヤクルト戦で緊急降板してからの復帰戦。序盤は「滑ると感じた」マウンドにも、踏み出す左足の位置を微妙に変えながら対応し、中日打線に凡打の山を築かせた。とにかく必死に、1つ、1つアウトを取った。

 中継ぎで結果を残せず、2軍降格を告げられた昨年6月。「チャンスを生かせなくて、、今年はもう終わったと思った」と気持ちが切れそうになった時、高橋2軍投手コーチから声をかけられた。

 「アキ(秋山)、プロは一生懸命やるのは当たり前のこと。どれだけ“必死”にやれるかが大事だよ。来年で26歳だろ?まだまだ、プロは25、26歳からだから」

 高卒入団で7年が過ぎ、1年目の4勝以降は、尻すぼみ。年々、危機感を募らせていた中で、もう一度、立ち上がれる言葉だった。

 「建さん(高橋2軍投手コーチ)に話をしてもらって、もう一回、気持ちを入れ直せた。目の前のことを“必死に”やっていこうと」

 開幕直前、人知れず痛みと戦っていた。3月下旬に、右脇腹に強度の張りを感じた。それでも、開幕ローテ入りへの最終テストとなった3月22日のウエスタン・リーグの広島戦で6回2/3を2失点と何とか粘った。

 「今までの僕ならあそこで炎上して、チャンスを逃してましたよね…。最低限の結果は残せたと思います」

 傷を負いながら、必死につかみ取った先発の座を簡単には手放したくない。開幕から必死にその1試合に全力投球してきた。だからこそ、たどり着いた10勝の大台にも、立ち止まることはない。

 「ここからが勝負だと思うので、上にいくために勝ち続けたい。(10勝は)一つ評価できますけど、次から1つ1つやっていく」

 必死に、最後まで戦い抜く。(遠藤 礼)

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