巨人・山口俊 球団は契約解除想定も…被害者側が寛大対応お願い

[ 2017年8月19日 05:30 ]

一礼して会見場を後にする山口俊
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 7月に酒に酔って、男性警備員にケガを負わせるなどの不祥事を起こした巨人・山口俊投手(30)が18日、東京・大手町の球団事務所で会見し、被害者やファンに向けて謝罪した。球団からは今季中の出場停止に加え、罰金、減俸合わせて1億円を超えるとみられる大厳罰処分が下った。なお、被害者側とはこの日までに示談が成立した。

 黒のスーツにネクタイを締めた山口俊が、会場に姿を見せた。「私の軽率な行動により、このようなことを起こしてしまい本当に申し訳ありません。今後このようなことが起こらないよう野球人として自分を律してまいります」と会見で計12回、深々と頭を下げた。

 目黒署はこの日、傷害と器物損壊の疑いで、山口俊を書類送検。書類送検容疑は7月11日未明、目黒区の病院で男性警備員に暴行し、全治2週間の打撲を負わせ、扉を破壊した疑い。酒を飲み、右手をケガして病院を訪れ、受診を巡ってトラブルになったという。

 騒動は同18日に発覚した。予告先発となっていた同日の中日戦の先発を回避。約1週間も球団への報告が遅れたことに、山口俊は「(暴行などの)認識はありませんでした。自分自身の未熟さ」と説明。約1カ月間の謹慎中はテレビで試合を見ながら「重大なことをしてしまったと、自問自答するしかなかった」と振り返った。

 被害者と示談が成立したとはいえ、球団は大厳罰を下した。今季終了時までの出場停止に加え、事案の起きた7月11日から8月17日までの罰金、出場停止期間中の減俸も科された。今季の年俸8000万円と推定されていたが、FA規約第7条が適用され、2億円以上の報酬で、「制裁金」は総額1億円を超えると思われる。

 球団は98年に判定を不服として球審にボールを投げつけたガルベスに、無期限出場停止と4400万円を罰金として科した例はあるが、それも大きく超えた。会見に同席した石井一夫球団社長は、球団が契約解除も検討した上での処分とし「(相手側からは)寛大な処分をお願いしますとの言葉をいただいた。球団としては来年もプレーしてもらうつもり。反省の気持ち、相手の方に謝罪の気持ちを感じ、しっかりグラウンドの上で投げて償いをせよ、ということ」と話した。

 FA移籍1年目の今季は1勝で終わった。山口俊は「(飲酒を)自粛して社会人としてあるまじき行動を取らないよう、お酒との付き合い方を考えたい」と神妙な面持ちで語った。「またプレーできる機会をいただいたので、感謝している」と、今後は高橋監督らナインに直接謝罪し、近く練習を再開する。

 ▽山口俊のトラブル 7月10日午後9時頃から都内の飲食店で、翌11日に30歳となる山口俊の誕生日パーティーを開催。この席で酒に酔い、会場にあった額に手をぶつけ、ガラスで右手の甲を切って出血。治療のため午前2時半頃に病院へ向かったが、警備員と口論となり、胸で体を押したことで警備員が机に体をぶつけて腰部打撲など全治2週間のケガを負った。その間、病院の総合案内のドアを破壊し、山口は傷害および器物損壊容疑で、警視庁の事情聴取を受けた。

 ▽フリーエージェント規約第7条(選手契約の条件) FA宣言選手と選手契約を締結する球団は、当該選手の参稼報酬年額を日本プロフェッショナル野球組織に所属する球団での同選手の直前シーズンの統一契約書に明記された参稼報酬年額(以下「前参稼報酬年額」という。)を超える額とすることはできない。ただし、球団が当該選手の前参稼報酬年額及び稼働成績に関する特別な事情をコミッショナーに文書で申請しコミッショナーがこれを認めた場合は、本条の制限を超える参稼報酬年額で選手契約を締結することができる。

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