“阿部2世”巨人・宇佐見「最高でーす!」プロ1号がサヨナラ

[ 2017年8月19日 05:40 ]

セ・リーグ   巨人9―7DeNA ( 2017年8月18日    東京ドーム )

<巨・D>10回2死二塁、サヨナラ2ランを放った宇佐見に歓喜する巨人ナイン
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 巨人・宇佐見真吾捕手(24)が18日のDeNA戦で、同点の延長10回にサヨナラ2ランを右翼席へ運んだ。プロ1号を劇弾で飾ったのは、球団史上6人目。打てる捕手として「阿部2世」と期待される若武者の活躍で、3位・DeNAとは4ゲーム差。クライマックス・シリーズ進出圏内となる上位浮上へ、負けられない戦いが続く。

 うれしすぎて全力疾走した。プロ1号が人生初のサヨナラ弾。宇佐見は高橋監督にハグされ「よくやった」と頭をなでられた。

 「飛んだ瞬間越えたと思った。うれしすぎて、速く走っちゃいました」。同点の延長10回2死二塁。高めのスライダーを右翼席に突き刺した。小林の代打で7回から途中出場した2年目捕手が、ニュースターになった。「絶対に1軍に上がる気持ちでやってきたので良かったです」と言い、大歓声を浴びた。

 13年首位打者に輝いたソフトバンク・長谷川をマネる独特の打撃フォーム。コピー度は「65%」と笑うが、苦しいリハビリ中に身につけた。今季は初の1軍キャンプスタートを切り、開幕直前に2軍降格。4月に右手有鉤骨(ゆうこうこつ)骨折に伴う手術を行った。両手でバットを振るまでの約1カ月。左手だけで振りながら、打撃改造を決意した。

 背中を押したのは内田2軍監督の「ケガの功名にすればいい」という言葉だ。元々は顔の高さだったグリップを、胸の位置で低く構えた。後ろに残していた体重も、やや前に残すように変えた。長谷川の動画を見てはバットを振り「一からではなくゼロからつくり直しました」。新フォームで今月8日に初昇格を勝ち取った。

 憧れは同じ大卒左打ち捕手の阿部。お立ち台では「最高でーす!」と決めゼリフを叫んだ。ユニホームはソックスを見せるオールドスタイル。幼い頃からテレビで見て「キャッチャーは(裾を)上げた方が格好いい」とマネする。阿部からは「砂田から打ったのは凄い」とねぎらわれた。

 3位・DeNAとの直接対決3連戦初戦を取った。負ければ6ゲーム差となるところを、4差に縮めたのは大きい。高橋監督から「最高の仕事をしてくれた」と賛辞を贈られた。リードでも3回を無失点に抑えた2年目の24歳。「出た場所で、チームのために頑張ります」と初々しく言った。 (神田 佑)

 【宇佐見 真吾(うさみ・しんご)】

 ☆生まれ&サイズ 1993年(平5)6月4日、千葉県生まれの24歳。1メートル81、87キロ。右投げ左打ち。

 ☆球歴 市柏では2年秋から正捕手で、甲子園出場はなし。城西国際大では1年秋と2年春にベストナイン。4年時の15年、ユニバーシアード日本代表で金メダル獲得に貢献。同年ドラフト4位で巨人入り。2軍では今季30試合に出場し、打率.262、2本塁打。

 ☆初出場・初打席・初安打 8月8日阪神戦で8回に代打でプロ初出場し、藤川から中前打。球団からTシャツやタオルなど記念グッズが発売された。

 ☆暗闇ランニング 昨秋のキャンプでは約10時間の練習後、宿舎までの3キロ走を日課にした。日が暮れた宮崎の海岸沿いを走った。

 ☆口半開き 寮に住むチームメートから「“いつも口が開いている”と笑われる」と悩みを口にしていた。

 ≪捕手は4人目≫宇佐見(巨)がプロ初本塁打となるサヨナラ2ラン。プロ1号もしくは来日1号がサヨナラ本塁打は、14年7月2日の日本ハム戦で斉藤(西)が打って以来史上41人目。巨人では08年6月6日ロッテ戦の加治前以来6人目となった。また、捕手では、63年伊藤(大洋)、77年大島(神)、88年植田(広)に次ぎ29年ぶり4人目で、チーム初。

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