神村学園・金城 計測不能スローカーブで甲子園沸かせた

[ 2017年8月19日 09:12 ]

第99回全国高校野球選手権第10日・3回戦   神村学園8―9明豊 ( 2017年8月18日    甲子園 )

<神村学園・明豊>涙を流しながらクールダウンのキャッチボールを行う神村学園・金城
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 ◆100回大会の主役たち

 サヨナラ押し出し四球の瞬間、マウンド上の神村学園・金城は膝に手をついてがっくりと肩を落とした。試合後のキャッチボール中、大きな瞳から涙がみるみるあふれた。「思い通りに投げたつもりだったけど少しずれた。3年生の夏を終わらせてしまって申し訳ないです」

 高いポテンシャルを存分に見せつけた。投手として入学も、小田大介監督が「可能性が凄くある選手。どこでも守れる」と評するように遊撃もこなす。シートノックは内野で受け投球練習は試合前日のみで普段はブルペン入りしないというから驚きだ。聖地初登板はこの日の同点の9回から。変幻自在の投球で球場を沸かせた。計測不能のスローカーブは「直球が遅いのでもっと遅い球で(直球を)速く見せようと思った」と中学時代から投げ始めた。どよめきが起こり「球場が沸くのが楽しかった」。自己最速を2キロ更新する137キロにフォークも披露した。

 沖縄出身のイケメン右腕。あと1アウトからの逆転負けにも、最後は涙をふき「自分たちが優勝するんだという気持ちでやって、もう一度戻ってきたい」と前を向いた。 (松井 いつき)

 ◆金城 伶於(きんじょう・れお)2000年(平12)9月15日、沖縄県糸満市生まれの16歳。幼稚園から野球を始める。中1から豊見城ボーイズを経て、安仁屋ヤングスピリッツでは投手兼三塁手。神村学園進学後は2年春からベンチ入り。家族は両親と兄2人、姉。1メートル76、65キロ。右投げ右打ち。

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2017年8月19日のニュース