侍Ｊ守護神は牧田！心の中で「任せてくれ」９回ピシャリ３人斬り

ＷＢＣ２次ラウンドＥ組   日本８―５キューバ （ 2017年3月14日    東京ドーム ）

＜日本・キューバ＞９回１イニングを抑え、ガッツポーズの牧田
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　「剛腕」だけが侍ジャパンの守護神ではない。８―５の９回、マウンドに上がったのは小久保監督、権藤投手コーチが絶大な信頼を置くサブマリンだ。牧田が最速１３２キロの直球とスライダー、カーブを駆使し、２奪三振の３者凡退で試合を締めた。

　「味方が３点取ってくれて非常に楽になった。ブルペンにいるメンバーには“後は任せた”と言ってきたけど、心の中では“任せてくれ”と」

　３安打を放っていた先頭のアラルコンは１２９キロの直球で空振り三振。デルガドはスローカーブで遊ゴロに打ち取ると、最後はメサのバットを再び直球で空を切らせた。

　当初は上原（カブス）や田沢（マーリンズ）らメジャー勢の起用を視野に入れていた侍守護神の座。招集を断念した時に権藤コーチの頭に真っ先に思い浮かんだのが牧田だった。一般的な抑え投手のイメージは直球が速く、空振りを取れるウイニングショットがあること。その守護神像とはかけ離れていても、１３年の前回大会も抑えを任された。海外では珍しく、短いイニングでは攻略が難しい変則投法に加え、抜群のマウンド度胸が大舞台で力を発揮している。

　２次ラウンド初戦のオランダ戦ではタイブレークの１１回を含む２イニングを無失点で勝利投手となっており、これで１勝２セーブ。計５回で防御率は０・００だ。抑えに完全に固定されていたわけではないが、９回に則本が登板した１２日のオランダ戦後も「自分かなと思っていた」と振り返るなど、自覚は十分ある。

　決勝トーナメントまであと一歩。「持ってるもの以上の力は出せない。自分の球を信じていくだけ」。異色の守護神が、米国の地でもメジャーの大砲たちをきりきり舞いにさせる。　（山添　晴治）