大谷 初1軍実戦でいきなり特大弾 右足首回復アピール

[ 2017年3月15日 05:30 ]

オープン戦   日本ハム5―3DeNA ( 2017年3月14日    札幌D )

<日・D>6回無死一塁、2ランを放った大谷
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 日本ハム・大谷翔平投手(22)が14日、DeNA戦に「3番・DH」でオープン戦初出場。4回の第2打席で左中間二塁打を放つと、6回には右中間に特大のオープン戦1号2ランを放った。右足首を痛め、WBCに出場できなかった二刀流。今季初の1軍での実戦で3打数2安打2打点といきなり結果を残し、このまま順調にいけば、31日の西武との開幕戦(札幌ドーム)に指名打者として先発出場する。

 衝撃音が響いた。全力でスタートする必要はなかった。大谷はゆっくり一塁方向に歩き始めた。打球は広い札幌ドームの右中間席中段に達した。140メートル弾。スタンドインを見届け悠々とダイヤモンドを一周した。

 「感触は良かった。強く振れました。せっかく打席に立っているので甘い球は振ろうと思った」

 野手として1軍初出場。初回は空振り三振も4回は左中間二塁打を放った。特大弾は6回無死一塁。フルカウントで須田が投じた140キロ直球を強振した。11、12日に「試運転」として出場したイースタン春季教育リーグ(楽天、ロッテ戦、ともに鎌ケ谷)は計4打席で3打数3安打3打点。これで今季実戦3試合で打率・833、2本塁打、5打点だ。

 「実戦でどれだけできるか」とテーマにしていた「走塁」でもアピールした。4回1死一、三塁で一塁走者の田中賢が二盗。三塁走者の大谷はDeNAの二塁・田中浩が捕手の送球を後逸(記録は失策)すると、本塁へスタートを切り、右足からスライディングで生還。瞬時の判断と鋭い動きを披露したが「余裕でセーフかと思った。思いのほか走れてなかった」と求めるレベルは高い。

 3回にはアクシデントもあった。中島のファウルが三塁ベンチの壁で跳ね返り、立っていた大谷の背中付近に当たった。大事には至らず、周囲は爆笑。本人もはにかんだ笑顔を見せた。昨年10月の日本シリーズで痛めた患部の状態が上向かず、2月上旬に憧れていたWBC代表を外れた。「目標を見失っている」。沈痛な表情を浮かべた22歳は、もういない。31日の西武との開幕戦(札幌ドーム)でのDH出場をしっかり見据えている。

 依然、右足首に不安はあるが「痛みがあるのはしようがないし、ゼロにはならない。次の日の反応を見ながらやる」と覚悟を決めている。打者出場にメドが立てば「投手・大谷」も模索する。患部と相談しながら一歩ずつ、前に進む。 (山田 忠範)

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2017年3月15日のニュース