「70歳の打撃投手」若き日にメジャー強打者との対戦で得た野球人生の財産

[ 2017年3月15日 15:27 ]

元ロッテ打撃投手の池田重喜氏
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 3月10日に取材でロッテ浦和球場を訪れると、「70歳の打撃投手」として知られ昨季限りで退団した池田重喜さんに会った。2軍練習を見に来ていた。昨年、元気にフリー打撃に登板する姿をいつも見てきた。投手としてもロッテでプレーした球団OBだ。昨年ロッテ担当記者だった自分が大リーグ担当に変わったことを伝えると、「米国でレジー・ジャクソンから4三振取ったことあるんだよ」と思い出話を聞かせてくれた。

 池田さんによると、ロッテは70年代に大リーグのオープン戦「カクタスリーグ」にチームで参加していたという。約1カ月の米国遠征で通算2584安打、563本塁打のレジー・ジャクソンらバリバリの大リーガーと対決する機会があった。「ボンズにも投げたよ。あのバリー・ボンズのオヤジな。凄い打者だったんだよ」と、うれしそうに話す池田さん。「ザ・キャッチ」のウイリー・メイズ相手にも投げたと聞いて驚いた。

 打撃投手を辞めた現在、高校などに講演で呼ばれると必ず話すのが「英語を勉強しておきなさい」。当時メジャーとの試合は貴重で、大きな財産になったというが、「英語を話せたら、凄い選手からもっといろんなことを感じて、吸収することができたかなと思ってな。実際にスーパースターと対戦したから言えるんだよ」。英語が話せないままメジャー担当をしているのが恥ずかしくなった。

 現在行われているWBCでは、メジャーのスーパースターとの真剣勝負が繰り広げられている。池田さんの時代では考えられないことだろう。メジャーで2冠王のアレナド(ロッキーズ)や首位打者のアルテューベ(アストロズ)、投手ではセーブ王のファミリア(メッツ)も参戦。世界一を目指す侍ジャパンにとって負けられない戦いだというのは言うまでもないが、トップ選手との対戦を楽しみ、野球人生の財産にしてほしいと思う。(記者コラム・渡辺剛太)

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2017年3月15日のニュース