不来方女子マネ 甲子園練習補助解禁第1号「一生記憶に残る」

[ 2017年3月15日 05:30 ]

ベンチから笑顔で練習を見守る不来方女子マネージャー(左から)斉藤有香さん、川崎日菜さん、越戸あかりさん
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 第89回選抜高校野球大会(19日開幕)の甲子園練習が14日に始まり9校がグラウンドの感触を確かめた。今大会から女子マネジャーが条件付きで練習に参加できることになり、21世紀枠で出場する不来方(こずかた、岩手)、中村(高知)、多治見(岐阜)の3校が実施。選手10人で臨む初出場の不来方は3人の女子マネジャーが練習を補助した。甲子園練習は16日まで行われ、15日は夏春連覇を狙う作新学院(栃木)など11校が練習する。

 春を告げる陽光に照らされ、女子マネジャーの表情は生き生きと輝いた。午前9時30分。「解禁第1号」は2番目に登場した不来方だった。ヘルメットをかぶり、三塁ファウルゾーンで外野ノッカーにボールを渡した越戸あかりさん(2年)は「スタンドの迫力が凄い。一つしかない場所だから特別な感じがした」と目を輝かせ、「人数が少ないから補助できてよかった。一生記憶に残る素晴らしい時間だった」と感激した。

 部員10人で、3人の女子マネジャーは欠かせぬ存在だ。タイムキーパー役として「5分」「10分」と大声を甲子園に響かせた斉藤有香さん(2年)は「夢の舞台だったので緊張した。楽しくできた」と笑顔で話した。川崎日菜さん(2年)も転がってきたボールを選手に返した。春夏通じて初めて甲子園の大舞台に立つ選手を、今春卒業する男子3年生部員2人とともに支えた。

 日本高野連では、外野ノック時のボール渡しやベンチ前でのタイムキーパーなど、人工芝部分の活動に限って、今大会から女子マネジャーの練習参加を認めた。昨夏の全国選手権大会前の甲子園練習において、本塁付近でヘルメットをかぶらずノックを補助した女子マネジャーが制止されたことが契機となった。

 ベンチ前の防球ネットを増やすなど、安全対策も講じた日本高野連の竹中雅彦事務局長は「マネジャーは選手が少ない公立校には十分な戦力になっている。今後、活躍できる場が広がればいい」と話した。歴史的な30分の甲子園練習。小山健人監督は「(女子マネジャーは)選手と同じ気持ちでグラウンドに立てていたと思います」と感慨深げに振り返った。

 <甲子園練習の女子マネジャー参加の経緯>昨夏の全国選手権大会の甲子園練習で、大分の女子マネジャーがユニホームを着て本塁付近でノックのボール渡しを担当。規定では練習補助員は男子部員に限られ、制止を受けた。この対応への批判もあり、日本高野連は規定変更を協議。今春センバツから参加を条件付きで認めることを決めた。十分に安全対策をし、体操服かジャージーを着てヘルメットを着用。活動範囲は、外野ノック時のボール渡しやベンチ前での補助など人工芝部分に限られる。

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2017年3月15日のニュース