【我ら侍応援団】宇津木妙子氏 日の丸の「重み」感じながら期待応えて

[ 2017年3月15日 11:00 ]

WBC2次ラウンドE組   日本8―5キューバ ( 2017年3月14日    東京ドーム )

宇津木元ソフトボール女子監督
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 WBSC(世界野球ソフトボール連盟)理事という役割もあるので、野球に盛り上がってほしい、と思ってきました。今回、本当に盛り上がっていてうれしいです。オランダ戦で試合終了が深夜になったにもかかわらず、観客の方々が帰らなかったシーンには胸が熱くなりました。ここまで全勝。20年東京五輪に向けて、勢いがついてきたと思ってます。

 一昨年のプレミア12や、強化試合の間は少し心配していたのですが、ここにきて落ち着いてきましたね。投手陣で鍵を握るのは、牧田投手や秋吉投手、宮西投手のような「変則」だと見ています。目が慣れないうちは、食らいついて当てる細かい技術に欠ける海外選手には通用すると思います。この日のキューバ戦で驚いたのは、ラッキーボーイ的存在だった小林選手に代打を出した決勝点のシーン。内川選手がきっちり犠飛を打つのですから、さすがの采配、さすが日本を代表する選手だと感じさせてくれました。

 大谷選手の欠場でメディア的には「柱」が欠けた印象だったかもしれませんが、一丸で日替わりヒーローを生むサイクルは悪くないですよ。この試合は2発の山田選手。忘れていけないのは筒香選手のチームバッティング。勝利のために、という気持ちが光っていました。

 きっちり犠打を決めるべきところで決められなかった場面は気になりましたが、未知数のイスラエル戦を気楽に戦えるようになったのは大きいですよ。試合終了のたびに大きく息を吐き出す小久保監督の重圧、私も日の丸を背負った経験があるので理解できます。でも、その重みを感じながら、これからも期待に応えてほしいとも思います。 (ビックカメラ高崎シニアアドバイザー、東京国際大総監督)

 ◆宇津木 妙子(うつぎ・たえこ)1953年(昭28)4月6日、埼玉県比企郡川島町生まれの63歳。ソフトボール女子日本代表として活躍後、97年から代表監督に就任。00年シドニー五輪銀、04年アテネ五輪銅メダル。現在はNPO法人ソフトボール・ドリームの理事長やWBSC理事などとして競技の普及と五輪実施競技への復活などを目指している。

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2017年3月15日のニュース