ゴジラ以来の快挙!24歳ヤクルト山田 30号両リーグ一番乗り

[ 2016年7月27日 05:30 ]

<神・ヤ>初回1死一、二塁、山田は今季30号となる右越え3ランを放つ

セ・リーグ ヤクルト3―5阪神

(7月26日 甲子園)
 トリプルスリーへの最も難易度が高いハードルを、ヤクルト・山田が今季95試合目でクリアした。初回1死一、二塁でライナーを右翼ポールに直撃させる30号先制3ラン。逆転負けに笑顔はなかったが、「打った瞬間切れなかったら本塁打と思った。普通はファウル。(右翼から左翼方向に吹く)浜風のおかげで入った」と振り返った。

 昨年は113試合目で達成した30本塁打。今年は18試合も早く、両リーグ通じて最速で到達した。24歳以下で両リーグ30号一番乗りを果たしたのは98年の松井秀喜(巨人)以来18年ぶりで、他も王貞治(巨人)らそうそうたる顔ぶれだ。

 本塁打量産の秘けつはスイングの軌道の変化だ。従来は球に水平に入るレベルスイングだったが、昨季の夏場から明らかに変わった。下から10度角度を付けたバットの入れ方で球に逆スピンをかけ、35度の角度で打球を飛ばす。杉村チーフ打撃コーチは「無意識かもしれないけどね。昔は“本塁打なんか狙うな。本塁打1本より安打4本だろって”言ってたけど今は違う。本塁打が打てるから」とうなる。

 技術に加え、並外れた集中力も兼ね備えている。履正社では1年時にクラスでトップの成績を取ることも珍しくなかった。得意科目は暗記がウエートを占める日本史。野球の練習を終え、帰宅後の短時間の勉強で集中して覚えていた。父・知規さんに「素振りしないの?」と聞かれ、「野球だけやったら好きな大学にいけへん。内申点が大事なんよ。テストで点取るために勉強せんとあかん」と返答。目標がぶれず、結果を出す姿勢は当時から変わらない。

 大流行のポケモンGOにも熱中。レベル6で「どうやったらうまくなるんやろ。なかなかうまくならへん」と嘆いていたが、遠征先のチーム宿舎付近で強力キャラクター・シャワーズの捕獲に成功。野球同様にゲームのセンスもピカ一だ。

 前人未到の2年連続トリプルスリーへ、打率・347、23盗塁と残る部門も視界良好だ。「個人的に(30本塁打を)打てて良かった。走る機会があれば走りたい」。卓越した技術と集中力で疾走し続ける。(平尾 類)

 ≪チーム日本人初≫山田(ヤ)が両リーグ30号一番乗り、ヤクルトでは12、13年バレンティンに次ぎ2人目で日本人初となった。山田は今季が24歳シーズン。24歳以下で両リーグ30号一番乗りは98年松井(巨=24歳)以来18年ぶり6人目、9度目。うち、7月26日、95試合での到達は、いずれも64年王(巨=24歳)の6月21日、72試合に次ぐスピードだ。なお、山田は昨年史上10人だけのトリプルスリーを達成。同記録の翌年も30本塁打以上は51年岩本(毎日=31本)、54年中西(西鉄=31本)、90年秋山(西=35本)、03年松井(西=33本)に次ぎ5人目。初の連続達成に向けまずは1部門をクリアした。

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