【茨城】常総学院3年ぶり聖地、エース左腕・鈴木昭11K完封

[ 2016年7月27日 05:30 ]

<常総学院・明秀日立>完封勝利で甲子園行きを決めた常総学院・鈴木昭は両手を上げてガッツポーズ

第98回全国高校野球選手権茨城大会決勝 常総学院1―0明秀学園日立

(7月21日 水戸市民)
 投げて、走って、最後に笑った。常総学院のエース左腕・鈴木昭が自己最速にあと1キロに迫る142キロの直球を軸に、5者連続を含む11三振を奪って6安打完封。チームを3年ぶり16度目の頂点に導いた。

 「常総は(近年の夏の甲子園に)3年行けなかったことはないと言われ続けていて、絶対決めなきゃいけないというプレッシャーがあった。ホッとしています」。

 明秀学園日立・細川との投手戦。決勝点を演出したのも虎の子の1点を守った鈴木昭だった。2回1死から右前打で出塁すると2死後、7番・有村の2球目にノーサインで二盗。有村の右翼線二塁打で先制のホームを踏んだ。投手ながら今大会はチーム最多タイの3盗塁をマーク。「鈴木はピッチャーだけじゃないというのを見せたかった。打って走って守れて投げられるのが本当の高校野球の投手」。スタンドで観戦した木内幸男前監督も「勝利の女神を呼び込んだのはピッチャー」と目を細めた。

 今春センバツでは左肘に違和感があり、1回戦の鹿児島実戦で8回4失点と崩れて敗戦。「夏へ切り替えたかったけど切り替えられなかった。挫折というか、つらかった」。今大会直前の練習試合でも帝京(東京)や作新学院(栃木)に打ち込まれたが、土浦霞ケ浦ボーイズ時代の恩師・塙博貴監督(現筑波ボーイズ監督)に「いいイメージで入れ。挫折なんて誰でも味わう。おまえは勝つから」と激励され、奮い立った。今大会は3試合計19イニングを投げて自責点はゼロ。エースの輝きを取り戻した。

 それでも、県大会優勝は通過点でしかない。鈴木昭は「甲子園は行くだけじゃ駄目。ここからが本当の勝負。借りを返しに行くので、エースとしてしっかり頑張りたい」と力を込めた。(原田 真奈子)

 ▼常総学院・佐々木力監督 鈴木は自分で打って、ノーサインで走る野球小僧。そういうところがプラスアルファになっていて、気持ちのあるチームだと思います。

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