【静岡】袋井 創立40年で初決勝!悪天候の死闘制した

[ 2016年7月27日 05:30 ]

<袋井・浜松商>3安打3打点の活躍を見せた袋井の井下田

第98回全国高校野球選手権静岡大会準決勝 袋井14―10浜松商

(7月21日 草薙)
 ファイナルは袋井と常葉菊川の西部地区ノーシード対決になった。準決勝は30年ぶりの袋井がエース右腕・稲垣淳之介投手(3年)を打線が17安打で強力援護。古豪復活を期した浜松商に打ち勝ち、初の決勝進出を果たした。常葉菊川はプロ注目スラッガー栗原健中堅手(3年)が右越えに豪快なソロ弾を放つなど16安打で第1シード常葉橘に大勝。同門決戦を制し、3年ぶりの甲子園へ王手をかけた。決勝は27日午後1時から草薙球場で行われる。

 ナインがまたまた創立40年の袋井の歴史を塗り替えた。夏の準決勝では初めての校歌斉唱。これ以上はないくらい、腹の底から絞り出す大きな歌声が球場中に響き渡った。勝ったのに複数の選手が泣きながら歌う。その姿が悪天候の死闘を物語っていた。

 ここまで全4戦で完投してきた稲垣投手は初回から3失点。スローカーブが雨で滑って抜け緩急が付かない。「(初回で)やってしまった…と。思ったところにいかなくて甘い球を打たれてしまった」。それでもベンチで仲間たちからもらった「大丈夫」の声を信じて腕を振り続けた。129球、7回10失点で降板。初戦から5戦で計611球に達した。

 気を吐く背番号1に打線も奮起し続けた。3番・井下田謙二塁手(3年)は3安打3打点の活躍。4回一挙7点を挙げた打者一巡の猛攻では先陣を切り「1本打つんだという気持ちで後につなぐ意識で打席に立ちました」。同点とされ7―7で迎えた6回は相手投手の暴投で勝ち越し、なお1死二、三塁の好機で中前適時打。再び流れを呼び込んだ。「(稲垣に)今まで助けられていた。自分たちが取り返してやろう、と」。心意気通り、終わってみれば17安打だ。

 守っても外野陣が好プレーを連発。6回1死一、二塁と8回2死二、三塁のピンチでは、安打性の当たりを加藤悠汰左翼手(3年)がランニングキャッチ。失点を防ぎ「(稲垣を)守備で助けたかった。無心で捕りました」と胸を張った。8回以降は公式戦初出場初登板の杉山正宗投手(3年)が無失点に抑え、両チーム計31安打の乱打戦に終止符を打った。

 初の甲子園を懸けて戦う常葉菊川には今春西部大会で1―11と大敗している。「今日はみんなが点を取って勝てた。その恩返しのために明日も投げて菊川打線を抑えたい」と稲垣。鉄腕エースは6戦連続登板をモノともせず頂上決戦に臨む。(鳥原 有華)

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