進化する怪物「新」ラッシュ!大谷また自己新3度目猛打賞&32打点

[ 2016年7月27日 05:30 ]

<西・日>6回に中前打を放ち、自己最多の3度目の猛打賞を記録した大谷

パ・リーグ 日本ハム4―1西武

(7月26日 西武プリンス)
 日本ハム・大谷翔平投手(22)が26日の西武戦に「5番・DH」で先発出場し、3安打1打点と活躍した。シーズン3度の猛打賞、シーズン32打点は、いずれも14年にマークした自己記録を更新。自己最速の163キロ、自己最多の11本塁打に続き、今季の「新記録」ラッシュが止まらない。チームは今季最多タイの貯金22。大谷の存在が、首位のソフトバンクを追う原動力だ。

 豪快なひと振りではないが、「打者・大谷」の凄さが凝縮されていた。1点リードの4回無死二塁、大谷は1ストライクからチェンジアップに泳がされながらも、最後は右手一本を伸ばしてバットにボールを乗せた。

 「進塁打を意識していたので、うまく引っ掛かってくれた。ゴロで抜けてくれればいいと思っていたが、反応でうまく打てた。狙いとは違ったけれど、何とか得点できてよかった」

 打球はライナーで右前で弾むと、二塁走者・中田は楽々と本塁に生還した。「高めの遅い球はヒットになりやすい。見送る必要はない」。技ありのスイング、そして抜群の状況判断で、西武の絶対的エース・岸から2点目を叩き出した。

 これで今季32打点。ベーブ・ルース以来の「2桁勝利2桁本塁打」で騒がれた14年の自己記録31打点を更新した。通算打点はちょうど100。プロ4年目での到達は、チームの4番を張る中田と同じスピードだ。

 この場面で際だったのは、打撃だけではない。打球を処理した右翼手が二塁でなく、一塁方向へ返球したのを瞬時に察知すると、一気に二塁を陥れた。記録も二塁打となり、これには栗山監督も「二塁に走者がいるとき、どんな打撃をすればいいのか分かっている。走塁も考えるのではなく、感じている」と驚きの表情を浮かべた。

 試合前から大谷は、いかに主導権を先に握るかが勝負を左右すると踏んでいた。「岸さんはこの間のウチの試合で投げた。いつも以上の気持ちで来るはず」。6月27日に札幌ドームで対戦した際、打線は4点ビハインドをはね返し、岸から8点を奪って逆転勝ちした。

 登板翌日とあって大谷自身は欠場していたが、二刀流だからこそ分かる投手心理だった。2回の先制ホームを踏んだのも大谷。右前打を放ち、岡の左前打で二塁へ進むと、大野の左翼線二塁打で生還した。6回も先頭で中前打を飛ばした。

 シーズン3度の猛打賞も自己新。「岸さんはいい投手。ヒットを1本打てればラッキーと思っていた」と言いながらも、今季は対戦成績8打数5安打、打率・625と完全攻略に成功している。投手としては31日のソフトバンク戦(札幌ドーム)先発を目指す。右手中指のマメは気になるが、打者ならば不安もない。27日もDHに入る予定で、バットでチームを勝利に導く。(横市 勇)

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