【福岡】九州国際大付　傷だらけの勝利で辛くもベスト４進出

＜九州国際大付・自由ケ丘＞右膝下に打球を受けながら熱投した九州国際大付の藤本

第９８回全国高校野球選手権福岡大会準々決勝 九州国際大付１２―１１自由ケ丘

（7月21日 北九州市民）
　３年連続での夏の甲子園出場を目指す九州国際大付が辛くもベスト４に進出した。６点リードの９回に追いつかれ、１１―１１で延長戦に突入。１０回２死二塁から山脇彰太（２年）が左中間を破る適時打二塁打を放ち、３時間６分に及ぶ壮絶な打撃戦を制した。

　「うれしくて“何も言えねぇ”って感じ。緊張したけど、二塁走者の永岡さんが胸を叩いて“気合入れろっ”ってメッセージを送ってくれていたので」。公式戦初のサヨナラ打に山脇は興奮を隠しきれなかった。

　ただ、チームにとっては傷だらけの１勝ともなった。６回２死、エース右腕・藤本海斗（３年）の右膝下に打球が直撃。何とか打球を処理したが、同僚に背負われてベンチに下がった。「全然力が入らないし、正直、厳しかったけど、エースの立場としていくしかなかった」と７回も続投。完全に右脚の感覚がなくなったという８回に左翼に回ったが、４点差に迫られた９回１死満塁から再登板してグランドスラムを浴びた。それでも「アドレナリンで何とかなった」と１０回のピンチしのぎ、計１８１球。２９日には準決勝・真颯館戦が控えるが、「気合でいくしかない」と悲壮な決意とともに、足を引きずりながら球場をあとにした。（東山　貴実）